松田拓弥の想ひ全集

  • 436 松田拓弥より
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fly

2006年6月11日 02:03

 鏡のむこうに自分の姿を映して、変な顔をしてみる。  …ムカつく。  ベロ出すな…  目ェむくな…  鼻の穴を閉じなさい…  …もう目もあてられない。  鏡に映ってるものって、実際のものとは逆向きになってると聞いた。  でも、実際に鏡を見てるときって、それを忘れてしまってる。  でも、右と左をちゃんとそのままに映されると、逆にもっとおかしくなる。  左右逆の自分の姿に、自分だけが慣れてしまって、自分だけがそのそのまんまの自分の姿を知らない。  自分なのに、自分が見えない。  そのままの自分ってやつは、自分だけが見えない姿のことを言っている。  自分に見えないものが、そのままの自分ってやつだと言えるのか?  どうやら言えるようだ…  だから人は嘘をつく。  …嘘は人に見えないようにつくけれど、自分だけがその裏に隠されたホントの意味を知り得るからだと思えてきたりしてみたり…  殺...

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Essay
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いつか

始まりの場所

2006年6月10日 22:57

不安が消えない いつも胸のどこかに抱えてる すごく大事なものを守るように いつかこぼれた涙のように 過去をいつも振り返るたび 同じ傷みが胸を刺す まるでそれだけが想い出だったとでもいうように そしてまた繰り返しの未来を怖れてしまうように 新たな道を歩いてきたと胸躍らせて はたと立ち止まってしまったとき 同じ道が少し景色を変えただけと 今度は今その一歩で進もうとしていた道でさえ 見失ってしまいそうになる きっとどこかにこの終わりがあると信じながら それさえ恐れて何度も同じ始まりを求めてく そして消えかけた道しるべをなぞるようにまた 同じ安心をくれる場所へと同じ不安を連れてゆく 笑いながら振り返って 泣きながら前を向いて また歩きだして同じ不安に立ち止まってしまったときは そこで思いきり泣いてしまえばいい いつかの終わりを求めながら また同じ始まりの場所へと戻っていくんだ 終わり...

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Poetry
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いつか

愛しい弱さ

2006年6月10日 19:01

そばにいて この手をずっとつないでて 今すぐここで抱きしめて 細い肩が泣いている 誰もが孤独を胸に抱えて 誰もがそれを恐れてる 出会う前の自分に戻るだけ そうじゃなくて 一人になるのが怖いから そんなふうに自分自身を抱きしめる 一人じゃ生きてはいけないと 誰かにすがり いつも誰かに支えられてる それがあたり前と感じてる そうきっと 人は一人じゃ生きていけない もうきっと 孤独なんてありっこない だけどきっとそうじゃない 友達も恋人も もともとそこにいたんじゃない いてあたり前の人はいない 優しい人が「ありがとう」と笑ってくれる あったかい人は「ごめんね」って手を差し伸べてくれる 気遣ってくれる人は「どうしたの?」って肩をたたいてくれる そうやって自分の弱さを感じていく 人として強くあるのは きっと人としてすごく哀しい 孤独に震えて弱く涙を流すのは 人としてはきっと愛しい 孤独...

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Poetry
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いつか

手探り

2006年6月10日 15:28

 この言葉が、好きで好きで仕方ない。  できれば、たとえほんの小さなことにでも感動しながら生きていきたい。  ただそれだけだ。  でも、自分が生きてるうちは、どうやらこうやって自分が生きてることには感動できないでいるらしい。  そして、それを実感することすらままならないらしい。  感じること  自分自身を感じること  きっと自分に何かを感じる。...

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Essay
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いつか

恐怖

2006年6月10日 10:01

 なにが一番怖いか…  確認できないこと。目に見えないもの。見えないこと。  人は、自分で確かめられないものがあると、必ず想像をふくらます。そして、その想像はいろんな形に変化していって、最後には、そこにある“真の姿”をかき消してしまう。  たいてい、それ以上のものが出来上がってしまうから。 《 風呂に入っているときには、“風呂に入っている”ということを忘れる。   誰かから電話が来ないと、それに気づかないのである。   …いま、体洗ってる。   …いま、頭洗ってる。   …いま、お湯につかってる。   いま、そういえば、お風呂に入ってる。   》 ※ここは俺の大切な相棒の使った言葉の受け売りです。著作権の関係だとしても、訴えないでね。  目に見えないものだったものが、見えるものに変わってしまうことで、逆に安心に変わってしまうので、そこで安心というぬるま湯に頭のてっぺんまで浸か...

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Essay
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いつか

フリ

2006年6月10日 03:43

 『不文律』って、これが何だか知ってるかい?  俺は知らない。  『自然法』って、これが何だか知ってるかい?  俺は知らないフリをする。  『人の心』って、これが何だか知ってるかい?  俺はそれを忘れかけてる。  だからもう一度、手探りしてみることにした。  それを俺は「あたり前」と言う。...

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Essay
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いつか

曇り空

2006年6月10日 01:09

 いつものようにスローペースで始まった。  起きて顔を洗って歯を磨いてズボンをはいて服を着て身支度万端整えて今日も空は青かった。  通い慣れた道を進んでまっすぐ行ったり曲がったりして見慣れた景色は目にもくれずに着いた場所は曇りのち雨。  端末操作に精を出して覗いたところでちょっとばかりの性が出て最後の最後に断末魔の叫びをあげてうんざりしながら飛び出した外はまた晴れていた。  道草食って腹を壊してテレビをつけて部屋着に着替えてテレビを消してたどり着いた部屋の電気でまた晴れた。  開いて閉じて開いて閉じて同じ道をたどっていってちょっと笑ってちょっと怒って席を立つたび表情消えて変化がないか確かめながら同じ道で戻った場所。  結局自分でずっと曇り。  テレビをつけてチャンネル変えてニュースは飛ばしてお笑いだけに救われて心のなかで笑うだけな晴れのち雨。  シャワーを浴びてドライヤーで髪...

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Poetry
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いつか

君への物語

2006年6月 9日 18:28

君と一緒にいれなかった時間 今だから 君に語れることがある 君に聞かせたい物語ができた 僕の物語 すぐに遠くへ行ったんだ 苦手だった一人旅 空の下 風に吹かれて 道の上 先を聞いて あてはなかったはずだけど 海があって山があって 人がいて犬がいて 雨が降ってまた晴れて そしてまた僕は歩いた 君と離れて少し友達が増えた 嬉しいのかな それとも悲しいのかな 喜んでもいいのかな 君がいないことに慣れていった 一人でいるのがあたり前になっていった 君はいない 君じゃないほかの人ばっかりだ 手もつないだ キスもした セックスもした 彼女のなかに溶けていった それもたくさん もしかしたら君とよりも多かった あんなにも怖かったのに 冗談交じりに誓ったあの日 同じことを彼女に誓った そして同じように別れていった 白々しいほど愛を叫んで 苦しいほどに愛を感じて 痛いくらい人を愛した そしてなぜ...

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いつか
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