2008年7月の文章リスト

“ 2008年7月 ” 分の文。

愛されたい

愛されたい
愛されたいよ

失うこと
忘れること
ひとりでいることに
いつしかもう慣れてしまった

愛されている
それはもうずっと前のこと
愛されていた
だけど忘れることもできないんだ

愛されることで傷つくこと
愛することで傷つけてしまうこと
愛して愛されてしまうことで
その痛みにも気づけずにいること

愛することで痛みを忘れてしまうこと
愛されることで淋しさを見失ってしまうこと

それってふたりぼっちと呼べるのかな
ひとりじゃないから気づけないままでいていいことなんてあるのかな

愛するたびに見失って
愛されるたびに孤独になってく

だけど愛されたいよ
もうちぎれてしまうくらいに愛されたいよ

忘れることができないから
きっとだれもが抱える孤独だから
なにもかもを見失って
信じることを忘れてしまっても
なににも気づけなくなってしまったとしても
淋しさや悲しみに言葉をなくしてしまっても

愛するたび不安が募って
自分の気持ちに負けてしまいそうになる

愛されるたび不安が消えて
だれかが抱える淋しさを忘れてしまいそうになる

僕が愛したすべての人の笑顔の分だけ傷つけてきたと思う
まただれかを愛するたびにそれは色褪せていった
同じことを繰り返しながら
どんな小さな言葉も涙も気づけないまま忘れてしまう
だけどもう一度すべてをやりなおせても
また同じことを繰り返してしまうだろう
いつしかもう愛することにも愛されることにも慣れてしまった 

愛されたいよ
愛したいよ

  • 2008年7月26日 10:47
  • 松田拓弥
  • Poetry

こだま

「おかえり」
かえってくる
またかえってくるよ
小さな明かりがそこに灯される限り

なにげない言葉
みんなだれもがあたり前のように使う言葉
また同じようなぬくもりがかえってくる

さびしいのかな
眠れないな
もう眠ったはずの部屋
明かりが一つ取り残されて
同じだけ淋しい思いをしていたのかな

眠れない日がきたときのために
ため息の数だけ明かりが灯る
くたびれた足音の数だけ
明るくしてくれたような気がするんだ

だれもそこにはいなくても
いつでも帰ってゆけるように
いつ眠れなくなってもいいように
長い夜が待ちくたびれていたように

消し忘れでもなく
「おかえり」なんて声もなく
ただ明かりをつけて待っててくれる
「愛してる」なんて言葉も必要ないように

なにも見えないわけじゃないけど
なにかに気づかせてくれるわけでもない
目を閉じてた暗闇をほんの少し明るく見せてくれるんだ
光なんてものではなくて
ぬくもりなのかもしれなくて

言葉とは違うこの不安や淋しさに
なにが返ってくるだろう
なにを返してくれるだろう
そしてこだまのない優しさやぬくもりに
なにを返せばいいんだろう

おかえりの声は言ってくれない
だれも褒めてくれやしない
なにかを言えば自分の声がかえってくる

それは小さな明かりのようなぬくもりだったり
だれかの信じたいと思った言葉だったりした
想い出色した眠れぬ夜の小さな部屋では

  • 2008年7月10日 04:01
  • 松田拓弥
  • Poetry

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