愛しい弱さ

そばにいて
この手をずっとつないでて
今すぐここで抱きしめて
細い肩が泣いている

誰もが孤独を胸に抱えて
誰もがそれを恐れてる

出会う前の自分に戻るだけ
そうじゃなくて
一人になるのが怖いから
そんなふうに自分自身を抱きしめる

一人じゃ生きてはいけないと
誰かにすがり
いつも誰かに支えられてる
それがあたり前と感じてる

そうきっと
人は一人じゃ生きていけない
もうきっと
孤独なんてありっこない

だけどきっとそうじゃない
友達も恋人も
もともとそこにいたんじゃない
いてあたり前の人はいない

優しい人が「ありがとう」と笑ってくれる
あったかい人は「ごめんね」って手を差し伸べてくれる
気遣ってくれる人は「どうしたの?」って肩をたたいてくれる
そうやって自分の弱さを感じていく

人として強くあるのは
きっと人としてすごく哀しい
孤独に震えて弱く涙を流すのは
人としてはきっと愛しい

孤独に耐える強さを求めてゆくよりも
孤独に震える弱さを抱えて
ともにゆこう

  • 2006年6月10日 19:01
  • 松田拓弥
  • Poetry

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