思いっきり走った
目標なんてなかった
終わりなんて考えないで
ただとにかく走ったんだ
もう走れなくなるまで走ってみたんだ

息が切れて胸が苦しくなって
脚が震えてなんも考えられなくなって


そして恋を思い出した
こんなふうにだれかを好きになったこと
鼻水垂らして口のなかもカラカラんなって
全身から汗を流した

そんなふうな恋をした


でももう忘れたな
だってもう走れないなんて全然なかった
まだまだきっと走れた
そういう気持ちが消えてしまっただけだった

やっぱりそういう恋も悪くないかなって思いだした

でも今はなんか違う
走りだすと自分のことしか見えなくなってた
自分の気持ちしか見えなくなってた
前しかないと思えていた

きっと相手もそれを望んでると思ってた
きっと同じ気持ちでいるんだって

だけどどっかで追い抜かしてしまってた
時には少し振り返るってことを忘れてた

だから今は歩きたい
いつも気持ちを一緒に連れて隣にいられるように
時には立ち止まってまわりの景色を眺めるのもいい
僕が見たからって目なんて合わなくたっていい
お互い寄り添っていられれば
たとえ別々の足跡を残してたっていいんだから

  • 2007年10月 8日 04:32
  • 松田拓弥
  • Poetry

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