松田拓弥の想ひ全集

  • 436 松田拓弥より
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しゃぼん玉

2006年6月 5日 09:46

とにかく大きいやつを作ろうと 思いっきり息を吹いてみた そしたらすぐに割れちゃった もっかいやったら 小さいやつがたくさんできた だけどホントはすごくおっきいやつを作りたいんだ 今度は静かにそーっとやってみた そしたら今度は膨らんだ やわらかいのか歪んでるのか でも顔の前で破裂したからクサかった だけどホントはいい匂いで それは懐かしくもあったんだ やっぱり飛ばしてみたくなった もいちど思い描きながら はやる気持ちをおさえながら 寄り目になって口の先をとがらせて 僕がにじませてゆく光を覗きこみながら 楽しさを隠せないまま 割れないようにと不安も一緒に しゃぼん玉を膨らましてゆく 「これ、僕がやったんだ! ほら、すごいでしょ?」 誰でもいい どこからでもいい 「すごいね」って言ってほしいんだ みんなで見上げてほしいんだ そして僕は やっとみんなの顔を確認しながら 腕を伸ばして飛...

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Poetry
Tag:
いつか

2006年6月 5日 03:55

泣かない 泣かない 絶対泣かない 別れることがつらいんじゃない ここから離れていくことが 同じ場所じゃない場所へ 別の部屋へ帰っていくのがつらいだけ だけど“さよなら”なんて言わないで あなたの言葉に傷ついて あなたのしぐさがつらくなって そばにいても淋しくなって あなたの笑顔を見るたびに 自分の気持ちがわからなくなった 出逢ったころには知らなかったイヤな部分 だけどたくさんのあなたを知ることで もっともっと好きになってく自分がいた もっともっと好きにさせるあなたがいた あたり前のことのように全部が全部楽しくて 欲しくて 欲しくて 触れたくて 写真だけが増えていった それを眺めてるだけの時間のほうが多くなった 気持ちはどんどん大きくなった 時間や心を重ねるたびに 孤独と自由が体の奥を貫いた 同じソファのなかなのに 遥か彼方に見えてくる 叫びたいくらいの気持ちがあるのに 音もな...

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Poetry
Tag:
いつか

対話する現代

2006年6月 5日 03:43

 最近、「話をするもの」っていうのがブームらしい。  というより、リアクションを起こしてくれるものといったほうが的確かもしれない…  会話というか、コミュニケーションをとってくれるものっていうのを通して、きっとその相手が単なる機械であれ、とにかく自分を認めてくれてるという感覚を味わいたいのではないかとさえ思う。  さみしいんだ。  人と人の距離はどんどん離れていってるような気がする。  さみしいんだ。  人と機械の距離が近くなればなるほど、その向こうにいるだろう人との距離は離れていくんじゃないだろうか…  みんな、さみしいんだ。  みんな構ってほしいんだ。  機械は、たしかに自分の期待どおりに応えてくれるだろう。  期待を裏切るというのも、きっとその人のなかで密かな期待としてあると思う。  普段冷たい人に、ちょっと優しい言葉をかけてもらうと、その人はまず9割がた、こう言う。 ...

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Essay
Tag:
いつか

Color's

2006年6月 3日 23:09

 好きな色は、白と黒。  白は、色じゃないから。  黒は、そういう色だから。  なんかかんやとイジッてると、結局どうしても “白黒” ってとこに行き着いてしまう… 「色がなくて美しいものは、色をつける必要がない。色があって美しいものは、色を消しても美しい。」  画像とか写真をイジッてると、いつの間にか白黒調での良さをはかってしまう…  どうしても “白黒” ってのが一番カッコよく見えてしまう。  それはなぜかはわからない…  色鮮やかなモノは、どうも苦手らしい。昔っからそうだったかもしれまいに…  単なるセンスのなさかもしれないけど、いつも葬式みたいな格好をしてたような気がしないでもない。  色味のあるものでも、たいていはくすんだ色とか、ちょっと暗い色とか明るい色とかで、原色のものを持ったためしがない。  原色が苦手だ。  新聞って、だからそれだけで絵になるんじゃないかと思う...

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Essay
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いつか

今さらだけど、愛ってすごく、美しい

2006年6月 3日 11:28

それまでは見知らぬ誰かのはずなのに いつの間にかいろんな顔を見せてくれたり それまでは知らなかった新しい時間が流れはじめる そう 今さらだけど使い慣れた時計なのに ホントなんてことはないんだね 知らなかったことを知っただけで 見たり聞いたり受け入れたりして ごくありふれた笑顔やしぐさが ほかの誰かにとってはあたり前のことのように なんの意識も必要なくて 気づくことも気づかせてくれることも 「今さら」なんてそれすら笑い飛ばしてた 時間をいつも背負うように生きてきた なんの重みも感じなくて 逃げることも追われることも そこに時計があることすらも僕は忘れかけていた 過去のなにを時間のなかに残してきたのか ただ今は触れることもできなくなって 記憶もどんどん薄れかけて その瞬間の気持ちだって 今ある気持ちに負けそうで 大切にしたいと思うほど それを写真で残したがるように 古いものはそっ...

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Poetry
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いつか

つい

2006年6月 3日 08:40

街の喧騒 雑踏 見知らぬ親の子供の声 追いまくられる大きな時計 小さな時計 秘密を広めるヒトのささやき 思いを伝える名もなき歌声 ふとあなたが聞こえた気がした 振り向いたけど知らない人とすれ違う もう一度振り返っても同じ人が歩いてく こんなにも自分の以外の人がいて こんなにも孤独を感じてしまう 今 聞きたい声がある 今 ほしい優しさがある 今 触れたいぬくもりがある だから僕は一人じゃないと 感じられる ふっと求めてしまうこと...

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Poetry
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いつか

こころ

2006年6月 3日 00:46

花や線路や水とはちょっと違うけど 声や風やぬくもりのように きっと人の心って どこかで形になっていて ただ目には見えないだけなんだ いつか傷ついたり 深い溝ができてしまえば きっともう完全には戻らない だけどいつか雨が降ったら そこに川ができたりして またなにかが生まれていって より美しい景色を彩ることもあるだろう たとえツギハギだらけになったとしても 縫い目ばかりが増えていっても いつの間にかそれは大きくなっていて それってすごくあったかいって 触れてほしいと願うから 触れたいって探すから 時には隠してしまうから 触れられるって信じたい きっと人の心って 花や線路や水のように 人が触れるものであってほしい...

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Poetry
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いつか

くもりのサングラス

2006年6月 2日 22:49

 色メガネをつけてると、その色がすべてのものにかかってくる。  そしてそれは、自分にしか見えない世界になる。ほかの人からすれば、そのサングラスを通して見る僕の瞳ぐらいしかわからない。  ちょっと孤独に似てる。ものすごく慢性的でだけど。  なにもしてない人とはきっとまるで景色が違う。  サングラスをはずしてみたとき、初めて気づいたことがあった。  世界はこんなにも明るかった。  コンビニや街では光が絶えない場所だけれど、あれはちょっとまぶしすぎるんだ。  いつも絶えず光を放ちつづけるところには、虫が寄る。  蛾や蚊や、小さな羽虫。  けれど害虫と呼ぶのは、きっと人間だけだろう。  人間にとって、害か無害か有益か、それが常に基準になる。  基準になれば、それ以外は、もうそれ以上でもそれ以下でもなくなってしまう。  こうやって屁理屈ばかりこねていると、イヤな部分や汚いところだけしか...

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Essay
Tag:
いつか
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