泣かない 泣かない 絶対泣かない
別れることがつらいんじゃない
ここから離れていくことが
同じ場所じゃない場所へ
別の部屋へ帰っていくのがつらいだけ
だけど“さよなら”なんて言わないで
あなたの言葉に傷ついて
あなたのしぐさがつらくなって
そばにいても淋しくなって
あなたの笑顔を見るたびに
自分の気持ちがわからなくなった
出逢ったころには知らなかったイヤな部分
だけどたくさんのあなたを知ることで
もっともっと好きになってく自分がいた
もっともっと好きにさせるあなたがいた
あたり前のことのように全部が全部楽しくて
欲しくて 欲しくて 触れたくて
写真だけが増えていった
それを眺めてるだけの時間のほうが多くなった
気持ちはどんどん大きくなった
時間や心を重ねるたびに
孤独と自由が体の奥を貫いた
同じソファのなかなのに
遥か彼方に見えてくる
叫びたいくらいの気持ちがあるのに
音もなくあなたの色が薄れてゆく
この部屋の景色は色濃くなってゆくのに
あなたに染まったぬくもりがどんどんどんどん消えてゆく
もしかしたら
これからが一番いい時間になるかもしれない
もしかしたら
もっともっと好きになるかもしれない
なってくれるかもしれない
それは誰にもわからないけど
だけどそうじゃないかもしれない
こうしてあなたを失いかけてく時間が
まるでそれが永遠を約束するかのように
美しさだけが映しだされて
むさしさだけを巻戻してる
好きな人ならまたどこかで探せばいい
今までもそうしてあなたを見つけたんだから
声はいらない
ちょっとうなずいて見せればいい
声をだせば泣いてしまう
でもまだ今はそれができないだけ
いっそ出会わなければ良かった
だけどめぐり逢えてもっと良かった
だけど不思議
今のあなたが一番愛しい
- 2006年6月 5日 03:55
- Poetry