Love Life
優しい風
きっと僕ら
真正面からぶつかりすぎてしまってたんだね
君の痛みも僕の痛みもそっちのけで
そうすることでしかわかり合えないなんて思ってたのかな
時には疲れ果ててしまうほど
ただ気持ちのままに向き合っていた
それはきっとなにかを奪い合っていた
自由より気持ちよりもっともっと大切な
気持ちをぶつける言葉よりももっともっと
いつも君は僕のことを聞きたがった
そして僕は君のことを知りたがった
君を思えば思うほど
僕自身が消えていった
ふとした瞬間、孤独なはずが
いつも君はそこにいた
君がいる安心感から
自分自身と向き合うことを忘れてしまっていた
君もホントはすごく傷ついたんだろ
知らず知らず自分の痛みを君にぶつけてしまってた
感じたことをうまく声にできないままに
「わかってほしい」とは違う言葉で
僕もきっと同じ気持ちだなんて
君は欲しいものを期待するんだ
僕のなかに君を見ていて
そやっていつも自分自身に話しかけてる
解決策はわかってる
言われなくてもわかってるって
だけどそれを僕にも求める
僕はその答えを君のなかに探してた
だけどお互い求めただけのその全部を
無理だとわかって受け止めようとして
沈黙のなかで微笑むんだ
だけど心のなかにわだかまりを隠しただけで
互いに素直になりすぎたこと
それをいつも後悔するんだ
傷つくことでしか理解できなかった
傷つけることでしか自身を伝えられなかった
自分を信じてやれなかった
なにもかもをわかち合うことでしか
君を感じれなかったんだ
出会い方や別れはいい
優しい風が吹くたびに
僕は君を思いだすから
あんなふうにぶつかり合って
泣きじゃくっても理解しようとしてくれた
ぬくもりだけの存在みたいな君が忘れられないんだ
泣いても泣いてもぶつかり合って
そうして互いを受けとめ合うんだ
苦しんだ
ホントにすごく苦しんだ
わかってほしい
もう君を愛さないから
そばにいるのにつらいだけの日々だった
だけどそんな君が好きだった
- 2007年4月16日 09:16
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誇り
君のために僕は死なない
きっと君の一生を
縛りつけてしまうから
僕は君の傷みになりたくない
「不死身」だなんて
いまどき子供だって信じないような
全然笑えない冗談だけど
僕は本気で強がるよ
せめて君を守れるぐらい
いつもせっかちに動くくせに
必ずなにか忘れるところも
いつも切りすぎる前髪も
それを嘆く君の不安も
なにもかもが好きなんだ
君が送りつけてくる君のすべてと
僕が描く君のすべてを
僕は全部受け止める
間違っていたっていい
君のかけらの何一つ
そして君を支える一人ひとりが
僕にとって大切なんだ
ふと立ち止まって君を想うと
君を僕を取り巻く人たちまで浮かんでくるんだ
背中や掌、時には声。
微笑んでたり考えてたり。
苦しんでいる人もいる。
いつか君が泣いたとき
僕は君を抱きしめるしか
受け止めることぐらいしかできなかった
自分でもバカだろうなと思えるほど君のこと。
君のこと、そしてまた君のこと。
だけど僕は生まれてきたんだ
わかりきった時間しかない
だからこそ君のそばからいなくならない
君がいつでも泣けるように
いつか君の誇りになれたら
また少し君を守れたような気がするんだ
- 2007年4月13日 01:29
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時代
なにもかもが光も当たらず
その下を影のように漂っている
それさえどこにもとどまることなく
移ろいながら太陽のようにまた昇る
なんだかんだ言ったって
いつも時代に翻弄されて生きている
なにを見てもなにをしても
つかんでいるのはいつもその影でしかない
世界を変えた大発明も
デカい夢を実現させた天才も
たまたまそのとき雲の隙間に
お天道様があっただけさ
通り雨
気まぐれで悪戯で
ねずみのようにすばしっこくて
そこにいる人間でさえも
その長いしっぽで巻いてしまう
ヒットチャートに並ぶ歌も
いつかは「古い」と笑われながら
やがては“時の人”と呼ばれながら
記憶からも消えてしまう
でも棚には別の誰かの笑顔がある
中古になって涙も笑顔も手から手へ
知らないことはいつも新鮮に今度はさらに映えるんだ
そしてまた誰もが口ずさむ歌になるんだ
あらゆる才能も誰もが知る偉人たちも
時代のなかで選ばれたんだ
真実でさえ決められる
きっと愛だってそのなかで生まれて消えるだけなんだ
だけどみんなそんな時代のなかで生きてるんだ
ドブのようでも海のようでも
這いつくばって時には泳いで
そしてまた新たな時代を築くんだ
生まれては消えゆく愛のなかで
精一杯に生きていくんだ
そしてまた愛を思い知るんだ
雲なんてない
みんながみんな太陽で
互いを照らし合いながら
時代は僕らを反射してるんだ
きっと光はみんなの上に降り注いでる
- 2007年4月11日 06:29
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腕
なんだかやけに天気がいいけど
今日はなんとなく君と閉じこもって過ごしたい
話そう 君を話そう
僕の知らない君の過去も
君が描く未来の姿も
君のすべてを見つめていよう
知らないことを話すとき
そして聞くとき
君はなにかを思い出そうとするように
なにもないところを見上げるね
そして少し猫背になって
嬉しそうに笑うんだ
少し寒いと木洩れ日のように差し込む窓際へ
子供のように這っていくのも今は恥ずかしくないんだね
凛とした顔立ちも隙のないたたずまいも
君の内面までは隠せないさ
そやって自分だけで勝手にどこかへ行ってしまうのも
突然まったく関係のないことを考えては話しだすのも
いつも僕の腕から離れたあとで
決まって僕に微笑みかけるんだ
君は窓の外のなにかを眺めてる
僕は君に寄り添ってそっとその背中を抱きしめる
君は僕のその腕を見つめながら
掌でゆっくりなぞって手をにぎる
そしてまたなにも言わず窓の外を眺めるんだ
それでいい
それがいい
君は僕に安心していて
もしいつか僕を振り返ったとき
その目に涙を浮かべていても
それを拭ったりはしないから
- 2007年4月10日 01:14
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パンツの穴
いつも裸になってまたそれを手にとったときにふと気づくんだ
風が通るためでもなければデザインでもなく
いつの間にかできてるんだ
お気に入りや贈り物や
思い入れの強いものにも
いつの間にかできてるんだ
みんなみんな擦り切れていく
そして知らず知らずのうちに
そこだけなにもなくなってるんだ
一度大なり小なり見て見ぬフリをして
ここのところの忙しさとその日の結末を口実にしていても
そんなことは忘れてるんだ
新しいのを買ってきたり、また誰かにもらったり
それまではなにも脱げなくなってしまうんだ
たとえ後悔するとわかっていても
でも今度はなにを隠すためなんだ?
いっそ裸のままになって包み隠さずいたほうが
あっちブラブラ こっちブラブラ
恥も自信も積み重ねてきた経験も
いつだって自分次第で脱ぎ捨てられる紙一重なプライドだけ失くさなければ
その日その日をラクに楽しく過ごせそうな気がするんだ
一体どこでどんなふうに
なにをしたらこんな穴ができんだろう?
そんなこと気にしたこともないけれど
代えればすぐになにもなかったことにできるんだから
縫ったり貼ったり
自分でなおす必要なんてない
そんなのカッコ悪いんだ
でも自分でも知らぬ間にできてたことを
気づけばそこにあったものを
今またこの手に取ってみる
だからってなにもわからないし
なにも変わらないってこともわかってるけど
いつかその向こう側が見えてきそうな気がするんだ
そこを通して見える向こう側になにかがあればそれでいい
そして向こうからもこちら側が見えるといい
変わらずなにもなくてもいいんだ
それは自分が作ったデザインで
そこにまた違う風が吹くなら
- 2007年4月 9日 07:29
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愛しい日々
愛のないセックスのように
思いつくすべてを試せるような
めくるめく快感はないけれど
愛する人とのセックスのように
なにもかもを出し尽くせるほど
絶対と言いたくなるような安らぎもないけれど
ただ繰り返されるだけのような
凪いだ生活を愛せるようになってきた
繰り返すだけの毎日を繰り返しに
また朝を迎えてる
そしてまた眠るんだ
また同じ明日を繰り返すために
また同じ人に会って
「おはよう」と「またね」でつなげてく
「好き」や「愛してる」を約束に変えて
また来る明日に今日を見てる
気づけばいつも同じ道の上を走ってしまっているように
そこに行けば安心がある
向こうからはやって来てはくれないけれど
そんなときは自分から行ってしまうんだ
ただ人を見てても飽きてしまう
ただ外を眺めていても疲れてしまう
夢見たようなきらびやかな世界じゃない
むしろ色褪せたような寂びれた景色だ
行きもしない来もしない
そこにあるとも主張しない
歓迎も声援も褒めてくれるわけでもない
でも変わらずいてくれる
きっと人だけじゃない
そこにあるすべてがそうなんだ
そこにいる人もモノも
すべてがあって初めて安心できる
そこにある景色すべてが
僕を包んでくれるんだ
もう見慣れてしまった失いかけのモノトーン
いつもの景色はいつもセピア色に染まってる
でも今はその景色にまた自分なりの色づけをしていくのが楽しいんだ
なにも塗らずに無色のままでもいい
また全部消してもいいんだ
- 2007年4月 7日 00:23
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それなり
見た目以上に冷たい地面
鉄のような煙を上げる道路
うろこのように黒茶けた樹皮
乾いてる
求めてる
そして飢えてる
必死になったことがない
がむしゃらに働いたこともない
あきらめるのも早い
そのくせ捨てることはできないでいる
歩くのが速い人には
ついていこうともしなかった
僕がやることはいつもそれなりで
人にはムダだと言われがちなこともやってきた
食えない道草を探しながら
遠いのか近いのかもわからないまわり道をした
でもそれはそれで
今の僕にそれなりの役には立ってると思う
誰かがそれをムダだと言ったって
僕にとってはそのすべてが今になっている
なにもかもがつながっている
つなげてくれる
たとえそれはもしかしたら自分にすら取るに足らないかもしれない
だけどなにか1つが欠けてしまってもダメなんだ
捨てきれない夢も破れた恋も
壊れた絆も色褪せてゆく想い出も
自分に自信が持てないでいるのは
きっと自分にもっと期待を抱いているからなんだ
それなりの自信じゃ不安なんだ
自信よりも自分がほしい
乾きを癒す水のように
それ自体は味気なくとも
自由に、そして果てしなく
無風の谷間
まるで部屋で吸っているように
煙草の煙がただ上へと立ち昇る
それも悪くない
- 2007年4月 5日 00:53
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五円玉の穴から見えた世界
新たな出逢いを受け入れるたび
その未来に待ち受ける傷
傷つくことで新たな出逢いがめぐるなら
今はそれも愛おしい
桃
日陰
三日月
そしてまた白い季節
人はそれを何で計るんだろう?
時間や涙、つながり、本能。
いろんなもので感じてる
価値観や経験、夢や希望。
同じもの、似たものを見つめる互いの瞳が映しだす狭い世界。
広い世界に生きながら、ひとにぎりの人だけを探そうとする
求めれば求めるほど
世界がどんどん小さくなってしまいそうで
入口だけを無理やり広げようとしてしまうんだ
ホントはガラスのように硬くてもろいのに
ホントは今にも壊れてしまいそうなのに
見た目だけ偽ることでそれをもっと強くした
ムダに歩きすぎてしまったみたいだ
時にそんなことを考えた
くたびれた道標すら見当たらないような場所
これまでだって矢印どおりに進んできたわけでもないけれど
それがないと不安になるんだ
それがあるから別の道を進めたんだと気づくんだ
それなら今から作ればいい
今までそんなときもあったじゃないか
道が世界のすべてじゃない
泣いてるばかりが子供じゃない
同じように傷や痛みに耐えること
それが僕らの証じゃない
- 2007年3月30日 02:22
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