パンツの穴

いつも裸になってまたそれを手にとったときにふと気づくんだ
風が通るためでもなければデザインでもなく
いつの間にかできてるんだ

お気に入りや贈り物や
思い入れの強いものにも
いつの間にかできてるんだ

みんなみんな擦り切れていく
そして知らず知らずのうちに
そこだけなにもなくなってるんだ

一度大なり小なり見て見ぬフリをして
ここのところの忙しさとその日の結末を口実にしていても
そんなことは忘れてるんだ

新しいのを買ってきたり、また誰かにもらったり
それまではなにも脱げなくなってしまうんだ
たとえ後悔するとわかっていても

でも今度はなにを隠すためなんだ?

いっそ裸のままになって包み隠さずいたほうが
あっちブラブラ こっちブラブラ
恥も自信も積み重ねてきた経験も
いつだって自分次第で脱ぎ捨てられる紙一重なプライドだけ失くさなければ
その日その日をラクに楽しく過ごせそうな気がするんだ

一体どこでどんなふうに
なにをしたらこんな穴ができんだろう?

そんなこと気にしたこともないけれど
代えればすぐになにもなかったことにできるんだから
縫ったり貼ったり
自分でなおす必要なんてない
そんなのカッコ悪いんだ

でも自分でも知らぬ間にできてたことを
気づけばそこにあったものを
今またこの手に取ってみる
だからってなにもわからないし
なにも変わらないってこともわかってるけど
いつかその向こう側が見えてきそうな気がするんだ

そこを通して見える向こう側になにかがあればそれでいい
そして向こうからもこちら側が見えるといい
変わらずなにもなくてもいいんだ
それは自分が作ったデザインで
そこにまた違う風が吹くなら

  • 2007年4月 9日 07:29
  • 松田拓弥
  • Poetry

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