なにもかもが光も当たらず
その下を影のように漂っている
それさえどこにもとどまることなく
移ろいながら太陽のようにまた昇る
なんだかんだ言ったって
いつも時代に翻弄されて生きている
なにを見てもなにをしても
つかんでいるのはいつもその影でしかない
世界を変えた大発明も
デカい夢を実現させた天才も
たまたまそのとき雲の隙間に
お天道様があっただけさ
通り雨
気まぐれで悪戯で
ねずみのようにすばしっこくて
そこにいる人間でさえも
その長いしっぽで巻いてしまう
ヒットチャートに並ぶ歌も
いつかは「古い」と笑われながら
やがては“時の人”と呼ばれながら
記憶からも消えてしまう
でも棚には別の誰かの笑顔がある
中古になって涙も笑顔も手から手へ
知らないことはいつも新鮮に今度はさらに映えるんだ
そしてまた誰もが口ずさむ歌になるんだ
あらゆる才能も誰もが知る偉人たちも
時代のなかで選ばれたんだ
真実でさえ決められる
きっと愛だってそのなかで生まれて消えるだけなんだ
だけどみんなそんな時代のなかで生きてるんだ
ドブのようでも海のようでも
這いつくばって時には泳いで
そしてまた新たな時代を築くんだ
生まれては消えゆく愛のなかで
精一杯に生きていくんだ
そしてまた愛を思い知るんだ
雲なんてない
みんながみんな太陽で
互いを照らし合いながら
時代は僕らを反射してるんだ
きっと光はみんなの上に降り注いでる
- 2007年4月11日 06:29
- Poetry