2006年6月の文章リスト

“ 2006年6月 ” 分の文。

葛藤

自分は“違う”ってきっと誰もが思いたい
だけど思えば思うほど
自分も同じなんだと思い知る
なにもどこも違わない

“普通”って言葉が好きになれず
それを人に確認しながら
そんな自分を否定してる
そんな自分は退屈なんだと

“自分らしさ”を模索しながら
いつも結局模作なんだと
すぐに折れてしまう自分にもがく
そんな細い柱にしがみついてしまう

自分が築きあげてきたものには
いつでも合格点をあげてやりたい
だけど自分と他人を比べるほどに
なんの根拠もない劣等感にさいなまされて
今度は“自己満足”って高い壁を築きあげてく
そしていつの間にかできていた
隙間風に肩を震わせ 腹をすかして
見えなくなった外を気にして
その自分だけの庭のなかではなにもかもが
人の気持ちでさえそう決め付けて
それすら自己満足と押えこむんだ

自己満足や自分らしさの額を飾って
想い出話や他人のアルバム眺めるように
それさえ人任せにしておきながら
“ホントの自分”とめぐり会うたび疑う

でもそれがいつか“違う自分”や“自分らしさ”に
“ホントの自分”ってやつにつながってくんだ
いつか自分が手放しで笑えるようになるように
そして信じられるように

自分だけの道 自分が歩いてできた道
そう信じてずっと猛進してきたはず
ふと気づいた誰かの足跡 道標
自信と喪失のはざまで
笑ってるのは自分の膝

  • 2006年6月13日 19:52
  • 松田拓弥
  • Poetry

最後の雪

もう春はすぐそこなのに
みぞれ雪が降ってきた

晴れかけた地面を濡らし
また木々の枝葉がうつむいてゆく
傘の下で肩を震わせ
ふとかすむ景色に立ち止まる

季節はずれと思いながら
この季節の最後にもう一度

色褪せてゆくかもしれない
だけど忘れることもない
新たな季節の幕開けに
もいちど思い出させてよ

今ここから最後の冬を見送るよ
最初の春の風に吹かれて

  • 2006年6月13日 08:38
  • 松田拓弥
  • Poetry

“愛”だとか“平和”だとか
あまりに規模が大きすぎて
“永遠”だとか“自由”だとか
途方もないことのように言うけれど
きっとそれらはみんな
みんなのすぐそばにあって
石ころみたいに転がってんだ
だからもしかしたら
そういうもので傷ついてしまったり
見つけたのは自分の靴の裏だったりしたとき
きっと自分には手に入らないとか
ずっと遠くて見えないものとか
考えてみたところでわからないとか
そうやって自分で隠してしまってるのかもしれない
自分の命が永遠じゃなかったり
真実なんてものがなんなのかもわからなかったり
愛を愛と呼べなかったり それすら疑問に感じたり
なにもかもを“人それぞれ”と求めることをやめてしまったり
答えは1つじゃないと割り切ろうとしながらも
1つの答えを求めてしまって
ひょっとしたら永遠にバラバラなものに
細かく分類しようとしてるのかも
愛も平和も宗教も誰もが唯一を欲しがって
誰もがホントは1つの方向を向いてるのに
一人ひとりが自分だけの道を歩みあたがる
ものすごくおっきなものってやつは
ものすごくちっちゃなものの集まりなんだ
凄惨な歴史の裏にもきっと小さな愛があって
平和な暮らしを信じたんだろう
もう道はある
ただ同じ靴が履けないだけなんだろう
“永遠”や“愛”もきっと
自分や人っていう規模の大きさには勝てないんだ
国は人が作ってんだ
理想は人が築き上げてくもんなんだ

  • 2006年6月13日 03:05
  • 松田拓弥
  • Poetry

男のゴールは結局、セックス。

- 男が恋をするのは、女の口唇 -


 女の人は、恋をすると肉体的にも若返るという…
 そしてきっと、そこにはゴールなどない。

男は肉体的なそれよりも、愛のほうが早く老いる…
だが、男にはゴールがある。終わりがある。

  • 2006年6月12日 22:08
  • 松田拓弥
  • Essay

気取った子供の鼻歌

真っ赤に染まった夕闇が
不安や孤独を携えて
あっちの空からやって来る
ドシーン ドシーン
大きな足音響かせながら

地面が揺れて胸が震えて
恐怖と期待が頭をもたげる
こっちの空にもまたたく星
Truth Truth
夕陽や夜に震えることもなくなるのかな

事あるごとに足がすくんで
静寂 沈黙 立ち止まって
自分の鼓動をしばらく聞いてる
クソったれ
こんな自分もいつかは愛せるのかな

好きな歌の真似ばかりさ
簡単なのしか選ばないコードを弾きながら
結局それしかできないと
嘆きの歌詞を口ずさむそんな自分をはじき飛ばして
目の前であぐらをかいてる現実のなかへ
バカヤロー
こんなはずじゃなかったとごまかす鼻歌

そんなものも愛せるときがいつかは来ると

  • 2006年6月12日 13:39
  • 松田拓弥
  • Poetry

陽だまり

手をつないで歩く
風当たりは強くなる
だけどあったかいんだ
指をからめて影が重なって
歩調を合せて手のひらも
結びつきも強く感じる

歩き慣れた道も
見慣れた顔も
ずっと変わらず見つめてゆこう
公園のベンチで座って話そう
誰かが連れてる大きな犬
しがみつくような小さな手
笑いながら眺めていよう

そしてまた二人そろって
同じ場所へ一緒に帰ろう

  • 2006年6月12日 07:53
  • 松田拓弥
  • Poetry

サビ抜き、特上

ひとしきり笑ったあとで
その表情は音もなく消えてゆく
思いつきで色を変えてゆくように
誰かの筆が僕の顔を塗り替えてゆく

極彩色の感情が皿のなかでうねりながら
すべてのものをモノトーンへと変えてゆく
だけどそこは曖昧で練り損ないの飴のような
かき混ぜるほど1つ1つが孤立してゆく

ひとしきり泣いたあとで
その涙は理由を残して色褪せてゆく
いつの間にか見えなくなっているような
臆病さがまた雨上がりの虹を求めてゆく

弱さが心のままを隠しながら
強がりでなにもかもがにじんでゆく
だけどそこには海を空が包みこむような
負けない強さがたたえられてゆく

涙や笑顔がどれだけの人を傷つけて
どれだけの人を支えたり救ったりしてるか
それが弱さや強さをどれだけ示していたとして
そんな気持ちにどれだけの価値があったとして

僕はそんな泣いたり笑ったりが好き
やっぱりまとまらない考えのなかで
理由だとか意味だとか価値だとか目的だとかが欲しくもなるけど
やっぱりそんなの抜きにしたのが
僕は好き
そんな僕が好き

  • 2006年6月12日 06:34
  • 松田拓弥
  • Poetry

誰もいない部屋でひとり歌う僕

ひとり部屋で歌をうたって涙が流れた
万人に愛される愛を叫びながら
心震わせるのはひどく簡単で
いともたやすい

現に経験してはいない
ただそれが好きな歌だと感じれたのは
僕がそれを好きだからだ
僕が君を好きなように

迷いや不安 孤独や怒り
どれもが僕を縛っていて
それでも愛を叫ぶ僕もいて
ほんの少し自由を感じた

誰もが買える言葉を手にして
目に見えるものがひどく弱く小さく見えて
それを信じきれなくなりながら
それでも少し背中を押される気がしたんだ
これを聴いてるのは僕一人じゃないんだって
同じ気持ち 同じ涙を流している人だって
きっとどこかにいると感じられた気がしたんだ

愛や希望 夢や自由
絆や平和 人や理由
目には見えないその強さを感じられそうで
目をつぶって誰もいない部屋でひとり
誰もが歌える言葉と気持ちを叫びながら
時には手をたたいてみたりして
胸の前で手をつなぐんだ

  • 2006年6月12日 01:49
  • 松田拓弥
  • Poetry

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