枯れ果てた黄砂のような頬を風にさらす老婆
風は冷たくその跡さえも残してはいない
ベンチに座り大きな荷物を背負っている
それはただ目に映るだけのものだった
潮に濡れた脚だけ
涙に沈んだ服の袖
命を含んだ光の朝露
闇に濡れた時間の影
老婆は少し時間を置いて立ち上がった
曲がった背にまた大きな荷物を背負って
微笑みさえも悲しく映る
潮垂るる色褪せた白い袖
- 2006年6月30日 08:44
- Essay
枯れ果てた黄砂のような頬を風にさらす老婆
風は冷たくその跡さえも残してはいない
ベンチに座り大きな荷物を背負っている
それはただ目に映るだけのものだった
潮に濡れた脚だけ
涙に沈んだ服の袖
命を含んだ光の朝露
闇に濡れた時間の影
老婆は少し時間を置いて立ち上がった
曲がった背にまた大きな荷物を背負って
微笑みさえも悲しく映る
潮垂るる色褪せた白い袖