ひとしきり笑ったあとで
その表情は音もなく消えてゆく
思いつきで色を変えてゆくように
誰かの筆が僕の顔を塗り替えてゆく
極彩色の感情が皿のなかでうねりながら
すべてのものをモノトーンへと変えてゆく
だけどそこは曖昧で練り損ないの飴のような
かき混ぜるほど1つ1つが孤立してゆく
ひとしきり泣いたあとで
その涙は理由を残して色褪せてゆく
いつの間にか見えなくなっているような
臆病さがまた雨上がりの虹を求めてゆく
弱さが心のままを隠しながら
強がりでなにもかもがにじんでゆく
だけどそこには海を空が包みこむような
負けない強さがたたえられてゆく
涙や笑顔がどれだけの人を傷つけて
どれだけの人を支えたり救ったりしてるか
それが弱さや強さをどれだけ示していたとして
そんな気持ちにどれだけの価値があったとして
僕はそんな泣いたり笑ったりが好き
やっぱりまとまらない考えのなかで
理由だとか意味だとか価値だとか目的だとかが欲しくもなるけど
やっぱりそんなの抜きにしたのが
僕は好き
そんな僕が好き
- 2006年6月12日 06:34
- Poetry
ランキング参加中なので。
単語連鎖
- あとがき : 陽だまり
- まえがき : 誰もいない部屋でひとり歌う僕