笑うこと

 日本人って、けっこう大切に思ってないんじゃないかと最近気づいたのであった…
 なぜなら、日本人って、あんまり笑わないと感じたから…
 デッカい口あけて、思いっきし笑ってる人って、あんまり見たことない…テレビのなかぐらいしか見たことない…身のまわりでそんな笑い方してるの見たことないと思った。
 外国の人を見るのもまあ確かにテレビだけってのがほとんどだけど、やっぱり笑うときは豪快に笑ってるような気がする…抑えぎみでもやっぱり本当に楽しそうに笑ってるように見える。

 【笑顔】っていう表情がある…

 だけどさ、日本人がそれを重要だと感じたりイイモノだって思ってるのって、歌とか小説とか映画のなかだけじゃないかと思った。
 歌詞だったり、セリフだったり、それを客観的に眺めてるとき。

 つまり、【フィクション】ってやつ。

 いざ実際に自分のこととなると、なんだかあまり笑えてないように見える…ひきつった笑い…無理した笑顔…ゆがんだ微笑み…目が死んでる笑顔…笑ってない笑顔…いろいろあった。
 中にはちゃんと笑える人もいるんだろうけど、俺のまわりではごく少数しかいないような気がするのだね、それは。
 だから、日本人はすぐ老けたように見えるんじゃないかと…
 日本人が得意な笑顔って、“嘲笑”と“冷笑”じゃないかと…勝手な思いこみかしら。

 日本人にとって、思いっきりデカい声だして笑うことって、あんまり好ましくないと思われてるんじゃないかな、実際には?
 電車のなかで大声で笑うやつは、たしかにやかましい…うるさい。
 でも場所が違えばどうだろう…
 たとえばお食事中…でも、これでもやっぱり怒られるんじゃないか?
 メシ食ってる最中にしゃべったり笑ったり歌ったりしたら、親に怒られたという記憶がある…たたかれたこともあった。
 だからかもしれないけど、俺は今、メシ食ってるときにただ黙々とメシだけを食う人が嫌いだ。楽しく談笑しながらのメシの雰囲気も、一緒に食え。

 こないだ仕事中に笑ったら、うしろから社員の人に怒られた…これは別問題なのか?
 仕事は仕事ってことか?
 たしかに。一理ある。
 でもただ黙って自分の仕事をこなすだけなんて、つまんなすぎだろう…やっぱ仕事も楽しくやりたいじゃん。
「仕事はそんなに楽しいものじゃない」
 んなこと言う人は嫌いだ。
 …黙々と自分の仕事をそつなくこなして、ミスはゼロ、ムダ口禁止、姿勢を正して、挨拶しっかり…これが日本のお仕事大原則だと感じたのは、授業を抜けてブラブラしていた廊下から見つけた中学2年の職員室。
 つまんなそうだった…
 俺には入れない。
 …雑談しながら仕事をやって、笑えるミスならたまの愛嬌、デッカいミスならその損害返すまでずっと勤務で給料カット、ムダ口最高、仕事のしやすい環境は自分で整える、音楽嫌いは即刻クビ、挨拶はひさびさに会ったときで充分…楽しそうな仕事場だ。いや、遊び場だ。
 もし自分で作るなら、公園みたいな会社がいい。

 俺が見た感じでは「ちゃんと笑える人=おもしろい人」なのかなぁ~…と。そして若くみえる!! じいちゃんでもばあちゃんでも、笑ってるときの顔は、なぜか若く見えて仕方ない…シワとかは別のものとして、気持ち若く見えたりする。
 ああ、長くなりすぎた…

 ちゃんと笑ってる?
 ちゃんと笑えてる?
 ってか、ちゃんと人生楽しんでる??

  • 2006年6月27日 20:55
  • 松田拓弥
  • Essay

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