"Poetry" にまつわる文章のリスト

明け方なのか、夕方なのか

時計の針が2時をまわる
もうどれだけこうしていただろう?

透けたような明日の輪郭
透かされたような昨日の影
ほんの短く喜んだり
長い廊下を歩くように悩んだり
隙間を埋める微笑みも
流れ去る時のなかでは凍りつくんだ
そう 時計の針が僕の顔を
ふっと通過するたびに

戻ることも戻すこともない過去にもがき
後悔のようにどっと押し寄せてくる明日に向かって
進んでゆく 進んでゆく 進んでゆく

老いるほどに若返っていくような
この心と自由の意味をかけ違えて
いつもあたり前のようにできていた
ボタンが今日は見つからない

いつの間にか首からぶら下がっていた
燃ゆる時間と消えゆく体
時が明日を灰にする
明日が過去を風に変える

だけどどこへも運んじゃくれない
ただただ巻き上げてくれるだけ

だけど今はわかるんだ
だって、ずっと起きてたんだから

全部時間のせいにして

  • 2006年5月31日 02:06
  • 松田拓弥
  • Poetry

三つ葉

そこにはたくさんの三つ葉がある
細い茎にただ葉っぱが3枚くっついている
寄り添うように
そして守るように

普段はまるで気づきもしない
そこを通りすぎるときは全部がただの緑色
もし1つが枯れていてもそれもきっと同じ色
急いでいるなら忘れている
いつもあたり前のようにそこにあるんだ

ある日 そこで四つ葉を見つけた
たった1枚小さな葉っぱが増えただけ
だけどたった1つだけ

それは僕がその日に初めて改めて
その存在に気づいただけ
うつむいたまま歩いていたら
ふっと気づけただけのこと

僕はそれを「幸せ」と呼んだ
風に揺れる三つ葉のなかで

  • 2006年5月31日 00:18
  • 松田拓弥
  • Poetry

69

「さようなら」
それが今でも言いだせなくて
無邪気に笑う君がつらい
僕が見とれた君の笑顔は変わらない

「愛してる」
なんてもう言わないで
今さら気持ちぶつけないで
君が見つめる僕の笑顔も変わらない

だけど君はもうわかってるのかもしれないね
それでも一緒にいたいと思ってくれてるのかな
悲しいね
だからいつもよりもにぎった手のひらに
力が入ってしまっているのかな?


「それじゃあね」
それはつかの間のさようなら
うしろに影を引くように
君も 僕らは何をつなげようとしているの

だけど次はもうこない それには気づいてくれているのかな
それでもここに来てみたら忘れてしまうね


永遠を誓ったときもあった
それは君も同じだったと思う
だけどふと鏡文字に気づくように いつからか
どっちがどっちで正しいのかもわからなくなってしまった
ところで今は何時?


「わかってるよ」
そんな言葉は聞きたくない
一体なにを見てるというの?
混乱するのは当然だろうけどわかってほしい

でも
僕は君とまた会うための準備をしてるんだ
今日こそ「さよなら」言いたい するって決めたんだ
悲しいね ホントにね
だけど想い出すらもわかっちゃいないんだ
またさよならできないのかな?
永遠に 永遠に そう
愛してると伝えることも もう

  • 2006年5月30日 20:50
  • 松田拓弥
  • Poetry

幸せの花

きれいな花は
その種のために
すぐに摘むという

僕は自分の花を
いくつ摘んできただろう?
自ら摘んだこともあっただろう
そしてその次の花を
よりきれいに咲かせるために

でも
それができてたことはあっただろうか?

  • 2006年5月30日 15:00
  • 松田拓弥
  • Poetry

Lost My Everyone

今すべての人を失ったら
僕はひとりになるだろう
ホントにたったひとりで孤独になる

悲しいかな?
淋しいかな?

でもどっちがつらいかな?
誰もが僕のなかにいるだろう

いつも楽しいことだけ想いだして
楽しいときには忘れてしまって
だけど触れたくて
おしゃべりしたくなってしまって
想いだすことがつらくなってしまうだろう
僕にとってはみんなでも
その人にとってはたった1人の僕かもしれない
それを無視はできないし忘れないから


もしホントに今みんなが消えてしまったら
だけどそうじゃないから
こんなこと考えては比べてしまうんだろう

どうかな?
ホントにそうかな?

今みんながいてくれるからこそ
そんなことを想像なんてしちゃうのかな?

だけどつらいときも楽しいときも
孤独を手放しきれずにいたりする
なにを自由と呼んで
なにを孤独と感じてしまうのか


だけどこんなことを考えながら
吸ってるタバコの煙のように
いつか忘れてしまうなら
きっとそのいつかはすぐに来るだろう


失うことを知らない今だから
その前に自分を消そうなんて思ってしまうんだろう
みんなが流してくれるかもしれない
たくさんの涙に安心したり 期待したり
振り向いてくれることも
声をかけてくれることも
あたり前のようにしてくれるから
僕はいつもそこに寄りかかって
のん気にタバコなんて吸いながら
煙のような想像ばかりを吹かしてしまうんだろう
不安になることでさえ恐れながら
そうなることがないように祈りながら

  • 2006年5月30日 10:45
  • 松田拓弥
  • Poetry

One More Again, In The End

「あなたには、もっとふさわしい人がいる」
僕じゃない…そう
きっとどこかに
ここじゃない
僕じゃない

僕は自分のために嘘をつく
誰かのためじゃない
恋をするのが怖いんじゃない
したい
恋しいことが怖いんじゃない
またヒトリになるのが怖いんだ


「あなたにふさわしいのは僕しかいない
あなたを幸せにできるのは僕のほかには誰もいない」
そう言える
これで最後になるのなら僕はあなたに伝えたい
本当は…


でも
あなたの描く未来を見せて
クレヨンで僕のシャツに色を塗って
もしもそこにあなたの未来が見えたなら
でも僕はあなたにふさわしいと言えるのだろうか?
本当にもっとふさわしい人がいるのなら…
そのときは僕に嘘を教えて

見えない誰かに僕を映して比べてみても
いつもなにもかもが負けている
きっとどちらも僕なんだ
僕はその誰かになりたがってる


でもあなたはこんな僕でも選んでくれた
そして今 涙してる
でも僕は抱き寄せることもできないでいる
今やっとわかったから
僕の嘘は誰のためでもない
あなたにふさわしくないなんて
そんなの単なる僕の思いあがり
あなたは僕を選んでくれたんだ

  • 2006年5月30日 07:54
  • 松田拓弥
  • Poetry

考えてみて、あとからわかること

優しさについて
ほんの少し考えてみた

そしたら今までずっと
そう思っていた人を
疑うようになってきた


才能について
ほんの少し考えてみた

そしたら実は
たいしてスゴくもないんじゃないか?
気づいてしまった


愛について
ほんの少し考えてみた

そしたらホントは
ただの執着だったんじゃないか?
不安になってきた


今までは そう
ただ漠然と感じていた
でもそれはそれについて
少しも考えてはみなかった
わかろうともしなかっただけだったんだと思う
答えなんてきっと見つかるはずもないって


そこらへんにありふれすぎているだけ
自分でそれに挑戦してみなかっただけ
ただちょっと見上げてしまっていただけ
そんな人が欲しかっただけ


そんな自分が悔しい
ほんの少し悲しくなる


わからないほうがいいこともたくさんあるんだ
だけどほんの少し考えてみたらわかってしまうことも多い
とはいえ考えてみてわかることは少ないはずだ
あとからわかってしまったことは
もうそこにはないことのほうが多いから

  • 2006年5月29日 22:15
  • 松田拓弥
  • Poetry

I was living tomorrow

明日のために今は生きてない
生きていればイヤでも明日は
勝手にむこう側からやってくる

なにが起こるかわからない未来の手前
明日はこないのかもしれない
だから今を精一杯に生きてるつもり

あっという間もない今はすぐに過去だ
時計のせいでも明日のせいでも太陽でもない
いつかは未来も過去となり そのために生きている

死んでしまいたいと思ったことは
何度もある そう 何度も 何度も
つらくて 痛くて 悲しくて
消えてしまうための術を求めてた

だけどそれは悲しくて 悲しすぎて
生きてくための理由を探していたいだけだった
笑って 笑って 笑うための
生きてるからこそ死ってものを意識する

1度死んでみなきゃわからないけど
きっと頭痛の種は消えてくれるだろう
だけど希望の種も消えてしまうだろう

笑って死ぬなんてできっこない
安らかな眠りなんて欲しくない
そのときまだ生きていたいと思えるように
ただ欲しいのは 誇れる自分と その軌跡
きっといつか光を受けてその芽がどこかで開くだろう

  • 2006年5月29日 20:02
  • 松田拓弥
  • Poetry

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