"Poetry" にまつわる文章のリスト

ぽっかり墓地

そこだけなぜか照らされてたんだ
きっとただ
それだけなんだろう
なんだろうけど
なんだかすごく気になった

だけど僕とは無関係
まるですべてが他人事で
僕の前には限りない生が見えてるだけで
だけどいつも忘れないで

※これはもうほとんど、“ゆず”の盗作に近いな。
『ぼんやり光の城』
『気になる木』
 ……僕より応援の意も込めて。

  • 2006年6月 7日 05:37
  • 松田拓弥
  • Poetry

そら

この空じゃ
消えない雲はありっこない
昇って昇って
少しずつ
空はきっと青いままさ
雲がどんなに重くとも
空気がどんなに揺らいだって
その先は その向こう側は
いつも澄んだ空がある
青く大きな空がある
きっと誰にも平等なのは
この空なんだね
この空のむこうに
ホントのそらがあるんだね

  • 2006年6月 6日 23:03
  • 松田拓弥
  • Poetry

ありふれた時間

見慣れた街に雪が降る
歩くたびに鈴蘭の花が凛と音をたてそうで
つかめもしない水でさえひび割れしそうにガラスを包む
だけど君は白い服で笑ってる

向かいの小さな喫茶店
帰る時間をいつもそこで刻んでる
だけど今は空を見上げてくれる
君の腕時計も今は僕のコートのポケットのなかだから

いつもよりもほんの少し君は深く
僕の腕に抱かれてく

ほかには何もない時間
君と僕と今は雪
いつもと同じ君なのに
いつもと違う君がいる


音もなく静かに雪が降りつづく
きっと窓のむこうじゃ同じように時も積もって
予約しといた高級フランス料理さえ
今ごろ雪だるまみたいにされてるのかな
君もいつの間にか眠っちゃったね

でもいんだ
そんなことはどうでもいいんだ
君をこのまま抱きしめたい
だけど今はこのまましばらく寝ていてほしい


何度も同じ話を繰り返したり
お互いの変わらなさを笑ったり
この手 この肩 この口唇
いつもと同じ君だから


この気持ちやこのぬくもり
触れていられるこの距離だとか
君の寝顔を眺めながら
君の笑顔を思いだしたり
ただただ君が愛しくて
愛しくて 愛しくて

君の長いまつ毛が腕の上でかすかに踊った
そして僕の時計でそっと笑った
僕は気づかなかったフリをして
君もまた眠ったままのフリをした

  • 2006年6月 6日 21:36
  • 松田拓弥
  • Poetry

ハゲと垂れパイ

ハゲあがった頭のなかの
しわくちゃな思考

たれ下がった胸の奥の
ささやかな鼓動

これがなにかはわからない
だけど
これはなにもかわらない

無限だった可能性は
どんどん消えてくかもしれない
だけど
そこに記憶がある限り
上手くなってるかもしれない

前より少し
ずっと前よりほんの少し

なにを信じていいかわからなくても
その信じ方はかわらなくても
信じることは何度でも
そこに自分がある限り

  • 2006年6月 5日 18:57
  • 松田拓弥
  • Poetry

NO ONE

雲が流れていく
風のほうへ導かれてく
光が影を追っていく
いろんな色に彩られてく

吐息が白くなっていく
その輪郭を曖昧にぼかしてく
街が静かに傾いていく
隣の歩幅に吹かれてく

その指先で少し庇を上げるように
その指先に炎を灯したように

同じ光が 指先が
時間のなかでは刻々と
姿を変えて軌跡を描く

たった1歩進んだだけで
そこには自分と足跡がつき
2つの影を落としてく
なにもかもが1つじゃない

  • 2006年6月 5日 16:03
  • 松田拓弥
  • Poetry

未完成

昨日までは太陽だったのに
明日にはそれが月になる
淡い光を放ちながら

夜にもきっと陽は昇る...

  • 2006年6月 5日 10:24
  • 松田拓弥
  • Poetry

しゃぼん玉

とにかく大きいやつを作ろうと
思いっきり息を吹いてみた
そしたらすぐに割れちゃった

もっかいやったら
小さいやつがたくさんできた

だけどホントはすごくおっきいやつを作りたいんだ
今度は静かにそーっとやってみた
そしたら今度は膨らんだ

やわらかいのか歪んでるのか
でも顔の前で破裂したからクサかった
だけどホントはいい匂いで
それは懐かしくもあったんだ

やっぱり飛ばしてみたくなった
もいちど思い描きながら
はやる気持ちをおさえながら
寄り目になって口の先をとがらせて
僕がにじませてゆく光を覗きこみながら
楽しさを隠せないまま
割れないようにと不安も一緒に
しゃぼん玉を膨らましてゆく

「これ、僕がやったんだ! ほら、すごいでしょ?」
誰でもいい どこからでもいい
「すごいね」って言ってほしいんだ
みんなで見上げてほしいんだ

そして僕は
やっとみんなの顔を確認しながら
腕を伸ばして飛び跳ねるんだ
嬉しそうにそれをつかまえるんだ

でもいつの間にかそこには
僕一人だけしかいなくなってて
願いながら祈りながら見送るんだ
屋根まで飛んでも消えないように

  • 2006年6月 5日 09:46
  • 松田拓弥
  • Poetry

泣かない 泣かない 絶対泣かない
別れることがつらいんじゃない
ここから離れていくことが
同じ場所じゃない場所へ
別の部屋へ帰っていくのがつらいだけ
だけど“さよなら”なんて言わないで

あなたの言葉に傷ついて
あなたのしぐさがつらくなって
そばにいても淋しくなって
あなたの笑顔を見るたびに
自分の気持ちがわからなくなった

出逢ったころには知らなかったイヤな部分
だけどたくさんのあなたを知ることで
もっともっと好きになってく自分がいた
もっともっと好きにさせるあなたがいた

あたり前のことのように全部が全部楽しくて
欲しくて 欲しくて 触れたくて
写真だけが増えていった
それを眺めてるだけの時間のほうが多くなった
気持ちはどんどん大きくなった

時間や心を重ねるたびに
孤独と自由が体の奥を貫いた

同じソファのなかなのに
遥か彼方に見えてくる

叫びたいくらいの気持ちがあるのに
音もなくあなたの色が薄れてゆく
この部屋の景色は色濃くなってゆくのに
あなたに染まったぬくもりがどんどんどんどん消えてゆく

もしかしたら
これからが一番いい時間になるかもしれない
もしかしたら
もっともっと好きになるかもしれない
なってくれるかもしれない
それは誰にもわからないけど
だけどそうじゃないかもしれない

こうしてあなたを失いかけてく時間が
まるでそれが永遠を約束するかのように
美しさだけが映しだされて
むさしさだけを巻戻してる

好きな人ならまたどこかで探せばいい
今までもそうしてあなたを見つけたんだから

声はいらない
ちょっとうなずいて見せればいい
声をだせば泣いてしまう
でもまだ今はそれができないだけ

いっそ出会わなければ良かった
だけどめぐり逢えてもっと良かった

だけど不思議
今のあなたが一番愛しい

  • 2006年6月 5日 03:55
  • 松田拓弥
  • Poetry

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