"Poetry" にまつわる文章のリスト

気取った子供の鼻歌

真っ赤に染まった夕闇が
不安や孤独を携えて
あっちの空からやって来る
ドシーン ドシーン
大きな足音響かせながら

地面が揺れて胸が震えて
恐怖と期待が頭をもたげる
こっちの空にもまたたく星
Truth Truth
夕陽や夜に震えることもなくなるのかな

事あるごとに足がすくんで
静寂 沈黙 立ち止まって
自分の鼓動をしばらく聞いてる
クソったれ
こんな自分もいつかは愛せるのかな

好きな歌の真似ばかりさ
簡単なのしか選ばないコードを弾きながら
結局それしかできないと
嘆きの歌詞を口ずさむそんな自分をはじき飛ばして
目の前であぐらをかいてる現実のなかへ
バカヤロー
こんなはずじゃなかったとごまかす鼻歌

そんなものも愛せるときがいつかは来ると

  • 2006年6月12日 13:39
  • 松田拓弥
  • Poetry

陽だまり

手をつないで歩く
風当たりは強くなる
だけどあったかいんだ
指をからめて影が重なって
歩調を合せて手のひらも
結びつきも強く感じる

歩き慣れた道も
見慣れた顔も
ずっと変わらず見つめてゆこう
公園のベンチで座って話そう
誰かが連れてる大きな犬
しがみつくような小さな手
笑いながら眺めていよう

そしてまた二人そろって
同じ場所へ一緒に帰ろう

  • 2006年6月12日 07:53
  • 松田拓弥
  • Poetry

サビ抜き、特上

ひとしきり笑ったあとで
その表情は音もなく消えてゆく
思いつきで色を変えてゆくように
誰かの筆が僕の顔を塗り替えてゆく

極彩色の感情が皿のなかでうねりながら
すべてのものをモノトーンへと変えてゆく
だけどそこは曖昧で練り損ないの飴のような
かき混ぜるほど1つ1つが孤立してゆく

ひとしきり泣いたあとで
その涙は理由を残して色褪せてゆく
いつの間にか見えなくなっているような
臆病さがまた雨上がりの虹を求めてゆく

弱さが心のままを隠しながら
強がりでなにもかもがにじんでゆく
だけどそこには海を空が包みこむような
負けない強さがたたえられてゆく

涙や笑顔がどれだけの人を傷つけて
どれだけの人を支えたり救ったりしてるか
それが弱さや強さをどれだけ示していたとして
そんな気持ちにどれだけの価値があったとして

僕はそんな泣いたり笑ったりが好き
やっぱりまとまらない考えのなかで
理由だとか意味だとか価値だとか目的だとかが欲しくもなるけど
やっぱりそんなの抜きにしたのが
僕は好き
そんな僕が好き

  • 2006年6月12日 06:34
  • 松田拓弥
  • Poetry

誰もいない部屋でひとり歌う僕

ひとり部屋で歌をうたって涙が流れた
万人に愛される愛を叫びながら
心震わせるのはひどく簡単で
いともたやすい

現に経験してはいない
ただそれが好きな歌だと感じれたのは
僕がそれを好きだからだ
僕が君を好きなように

迷いや不安 孤独や怒り
どれもが僕を縛っていて
それでも愛を叫ぶ僕もいて
ほんの少し自由を感じた

誰もが買える言葉を手にして
目に見えるものがひどく弱く小さく見えて
それを信じきれなくなりながら
それでも少し背中を押される気がしたんだ
これを聴いてるのは僕一人じゃないんだって
同じ気持ち 同じ涙を流している人だって
きっとどこかにいると感じられた気がしたんだ

愛や希望 夢や自由
絆や平和 人や理由
目には見えないその強さを感じられそうで
目をつぶって誰もいない部屋でひとり
誰もが歌える言葉と気持ちを叫びながら
時には手をたたいてみたりして
胸の前で手をつなぐんだ

  • 2006年6月12日 01:49
  • 松田拓弥
  • Poetry

やっとわかった

冬が終わって春が来る
空が静かに色づいて朝になる
夜になって月が出る
海が太陽を飲み込んでゆく
花が咲いて枯れてゆく
踏んだ場所に道ができる
道があればその上を進んでいく
人を殺しちゃいけない
腹がへったら食べる
知りたいことを知ろうとする
見たいものを見る
触れたいものに触れる
わからないものはわからない
1+1=2
時計の針が1つ進めば何もかもが過去になる
未来は先にある
今は刹那と移ろい過ぎる
僕がいる
空は大きい
明日は誰にもわからない
“絶対”はない

みんなあたり前だと思ってた
そういうもんだと思ってた
それが疑問で
それが答えで
それは必ず1つだけだと
悲しみや淋しさや切なさは
そこになにを挟んでみても
なんの意味も映しちゃくれないものなんだって
そう思ってた

だけどあたり前のことなんて
なに1つないんだね
不条理や望んだことじゃなくても
突然向こう側からやってくるって
そんなこともあるんだね
やっとわかった
だから涙や笑顔があるんだね

  • 2006年6月11日 17:59
  • 松田拓弥
  • Poetry

沈んだままの宝箱

海のなかの夢や希望
失意や絶望がその光を隠してしまってるだけ
いつまでも舟に乗ってちゃ見つけられない
溺れるか 泳げるか
ただ大海原を眺めてるのか

  • 2006年6月11日 13:03
  • 松田拓弥
  • Poetry

肩を並べて

特にこれといって取り得のない君
歌だってうまくもなく下手でもなく
とびきり明るいわけでもない
胸もそんなに大きくなくて
勉強も運動も人とのあいだを行ったり来たり
そこまで優しいわけでもない
だけど僕に笑ってくれる

いつだって僕を見ていてくれる
しょうもないこと話しながら
なにも気にせず笑ってくれる
ほんのつかの間の別れなのに
淋しそうに小さくその手を振ってくれる

探してくれる
そしていつも見つけてくれる

僕の言葉にうなずいて
僕のしぐさを目で追って
僕といつも向き合って
そして笑ってくれるんだ

それが君の僕にとっては特別な
君のすごい取り得なんだ
全然自慢なんてできないだろう
だけど僕にはかけがえのない存在なんだ

そんな君を誇りに思う
誰がなんと言ったって
僕にとって君は誰より大事な人だから
だからもうそんなふうには言わないで

泣くのはいい
嘆くのもいい
だけど自分を責めないで
過去や未来と比べないで

  • 2006年6月11日 11:06
  • 松田拓弥
  • Poetry

始まりの場所

不安が消えない
いつも胸のどこかに抱えてる
すごく大事なものを守るように
いつかこぼれた涙のように

過去をいつも振り返るたび
同じ傷みが胸を刺す
まるでそれだけが想い出だったとでもいうように
そしてまた繰り返しの未来を怖れてしまうように

新たな道を歩いてきたと胸躍らせて
はたと立ち止まってしまったとき
同じ道が少し景色を変えただけと
今度は今その一歩で進もうとしていた道でさえ
見失ってしまいそうになる

きっとどこかにこの終わりがあると信じながら
それさえ恐れて何度も同じ始まりを求めてく
そして消えかけた道しるべをなぞるようにまた
同じ安心をくれる場所へと同じ不安を連れてゆく

笑いながら振り返って
泣きながら前を向いて

また歩きだして同じ不安に立ち止まってしまったときは
そこで思いきり泣いてしまえばいい

いつかの終わりを求めながら
また同じ始まりの場所へと戻っていくんだ
終わりは理由があればいつでも決められる
だけど始まりはいつも気づけばそこにあるんだ

  • 2006年6月10日 22:57
  • 松田拓弥
  • Poetry

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