"Poetry" にまつわる文章のリスト

ONI

追いかけているつもりだった
だけどいつの間にか追い越されていて
その背中を見送るだけ

気づけば追いかけられていて
いつの間にか逃げるようになっていた
果てしのないこの鬼ごっこ

だけどどちらも逃げてしまえば
知らず知らず遠く離れてしまうんだ
見えなくなっても気づけないまま
どこか遠くへ行っちゃうんだ

  • 2006年7月31日 07:58
  • 松田拓弥
  • Poetry

サンタクロースのヒゲ

小さなころは同じ夢を見ていたけれど

今はなにもお願いなんてしなくなって

この日だけは聞こえてきそうな鈴の音に

いつもの夜空へ「ありがとう」とつぶやいている


クリスマスにはサンタさんは一人じゃない

その不恰好な帽子の数だけ夢や希望や笑顔があって

そっとそこに贈り物を渡したサンタクロースも

きっとそれより大きなものをもらってる


もしもお願いするのなら

その気持ちをずっと変わらず持っててほしい

もしもなにかをくれるなら

時には主役になれるヒゲがほしい


サンタクロースに逢えるのは

イヴの夜と眠ったフリのときじゃない

ずっといつもそばにいる

ずっとそばにいてくれる

  • 2006年7月31日 02:49
  • 松田拓弥
  • Poetry

Lady Dance

女は悲しい性を踊る
蒸せるようなぬくもりに
一人 そっと目を閉じて
そんななかに愛を見る
覚めても消えない夢を求めて

手を添え 胸を重ね
汗を湛え 腰を乱し
甘いキスにすべてを許す

舌をからませ 脚をすり寄せ
唇を濡らし 怒りをまたぎ
さらに深くの罪を包む

愛のささやきを指で結び
ベッドの上では裏切りさえも抱きしめる
泣きながら求めながら受け入れながら
にぎりしめてるシーツの色に染まればいいと願っている
騙されてると知りながら

心の琴線に触れているのは
自分だけとは知らないまま
音を出すのはいつも自分ばかりだと
知っててそれを止められない
必要なんだと言い聞かせて
求められることに安心しながら
求められるままに受け入れている
求めることすら罪のように

真新しいシューズは捨てて
くたびれた使い古しを履いて
惚れた男の上で舞う
心の線は切れていても
それを新たな紐にする

すべてを見透かしてると思いこんでは
透けたランジェリーの隙間を覗かせ
レースのような心を埋めるように
嘘と欺瞞で巧みなまでに編まれてゆく
だけど自分も手伝って

奏でる性は
今日も悲しい音色を鳴らしてる

  • 2006年7月29日 20:38
  • 松田拓弥
  • Poetry

「星がきれい」

車を降りてつぶいやいた

「星がきれい」

閉まるドアを待たずに駆け出した
むこう側には何もないけど
闇が怖くなくなった
こんなにも星がまたたく夜は
星の上を踏むように
冷たい地面に星座を作る

こんな夜は月はなくても構わない
一人で星と戯れる
乱れた足のつま先があちらこちらで小石を蹴り
靴のかかとが草を滑る
伸ばした腕が風を受けて
溶け合うような星たちが弾んだ息で寝静まる
そしてそっと心の音色に瞳を閉じる

純粋に
ただ純粋に
「星がきれい」

  • 2006年7月26日 19:47
  • 松田拓弥
  • Poetry

雨宿り

 ぽつっぽつっと降ってきたら
 ほんの少し歩みを広げて ほんの少し遠くへ向かう
 そしてほのかな暗がりで
 ズボンやシャツがまとわりついてる
 僕は微笑みながら雨を拭く


 やわらかな明かり
 すべてがゆっくりにじんでゆく
 今は光も影も解け合うんだ


 まぶしすぎる光もなく
 すべてがまぶたを閉じた名残のように


 なにに追われることもなく
 なにを追ってるわけでもなく


 僕が傾くほうにだけ
 同じだけ少しだけ
 僕に寄り添い合ってくれるだけ


 走って帰ったっていい
 だけどずっとこうしていたい
 その音さえ忘れてしまうような
 ただ静かな眺めのなかで
 遠くの景色とこのつま先に踊る雫とのはざ間で
 ただ濡れてくままに感じてたい


 僕が君を好きなのも きっとこんな感じなんだね
 そう 君の手のひらで

  • 2006年7月22日 00:40
  • 松田拓弥
  • Poetry

あまり

人はいつか離れてゆく
君もいつか離れてく

だけどそこに愛があるなら
去ってく君を止めはしない

束縛だとか未来だとか
そんなものが欲しいわけじゃない

気持ちも答えも求める結果も
絶えず変化を続けてる

疑問や違いを打ち消すように寄り添うけれど
探しながら迷いながら揺れていた

夢や希望で積み木のように遊んだけれど
いつもどこかに隙間ができてそれを愛で埋めていた

去ってく君を止めはしない
追いもしない

愛や自由を絵の具のように絵を描くけれど
今は想い出ばかりが色づいてゆく

少しずつ積み重なったすれ違いで衝突したり
涙を流して手を取り合ったり

これからはそれがたとえ僕とじゃなくっても
僕の知らない顔を見せるとしても

君の愛は持っているから
今僕が欲しいのは君の幸せ

いくら想い出が楽しいものしか残ってなくても
それだけうまく描けないんだ

だから欲しい
僕にいつか君のすべてを描かせてほしいから
僕の知らない幸せを見つけた
そう 君のすべてを

  • 2006年7月16日 09:14
  • 松田拓弥
  • Poetry

PM6:38

人の気持ちを考えながら書いた詩に
どれだけ僕のホントの気持ちがあるんだろう

思いはする
映画を観たり本を読んだりする
いろんな人と出逢ったりする
そんななかで自分以外の話を聞く
感じたり触れたりする
その人のことをほんの少しだけわかれた気がした
そしてその気持ちを綴ってみる

それはその人だけの経験かもしれない
だけど気持ちは僕なんだ

心のなかじゃ空も飛べる
血がにじむぐらい人を愛せる
それはたしかに僕の気持ちだ
僕のホントの気持ちなんだ

  • 2006年7月13日 19:51
  • 松田拓弥
  • Poetry

ふと覚める

ホントに大切なものなんて
手にしてみなきゃわからないんだ
なにを残して なにを捨てるかなんて
それに触れてつかんでみなきゃ
それがなにより大切なところで
気づくことなんてできやしないさ

実感のない幸せなんて
夢となんら変わらない
寝て起きたら覚めちゃうんだよ

自分自身を騙せることが
もしかしたら一番の幸せなのかもしれない

  • 2006年7月10日 00:21
  • 松田拓弥
  • Poetry

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