2006年5月の文章リスト

“ 2006年5月 ” 分の文。

月明かり

夜空に浮かぶ月が消えかかる

ほの暗い明るさだけを残して

月が空から消えてゆく

朝がくるのか?

陽射しを待ってるわけではない

ただ月を眺めていただけ

眺めていたいだけだった

もう何本めかの煙草の煙もその輪郭だけを撫でてゆき

濁ったような月のなかを踊りだす

強すぎず 弱すぎず

遠い彼方で静寂を

遥かな場所から沈黙を

夜の不安を優しく照らす

暗闇ばかりじゃないってことを

色ある僕の細い細い吐息さえも

このほの暗い明るさのなかでも伝えたいこと

声嗄れるまで歌いたい

胸張り裂けるまで泣いてみたい

どこからともなく僕のそばで凛と鳴く虫のように

涙ににじむ陽射しのような月明かり

この月のような優しさをこの胸に

伝えたいことこの胸に

伝えたいことその胸に

涙の雫は月の上に

消えない影は時の上に

  • 2006年5月 3日 02:57
  • 松田拓弥
  • Poetry

けむる月よ

深く深く吸いこんだ煙草の煙を細く長く
ふとした夜空に浮かぶ月
なにをそんなに照らしだすのか
淡くぼんやり優しく輝く月明かり

僕の残した足跡は街灯伝いに濡れていて
月の明かりは届かない
そう ここには届かない


僕もなにを照らすのか
僕はなにを照らせるか
きっとなにも照らせない
いつもなにかに照らされてるだけ

けむる月よ
この道はどこへと続いているのか
僕をどこへ導いてくれるのか
それともどこにも導いてはくれないのか
きっと答えはどこにもない
この道の先にも そこを曲がった脇道にも
いつだって突き当たる前に曲がってしまう
そして答えは1つじゃない
道もきっと1つじゃない


路地裏にだって月の明かりは届いてる
そこを淡くぼんやり優しく照らす明かり
いつかは見つける 見つけられるその明かり
でも消えてくれていたのなら
次の朝へと時間が少し早く進む


けむる月よ
今はまだ僕の道を照らしておくれ
けむる月よ
いつの間にかと早く空から消えておくれ

  • 2006年5月 2日 23:58
  • 松田拓弥
  • Poetry

明日の想い出

忘れるには、まずは、思いだすこと。

思いだすのがつらいなら、忘れることもつらい。

忘れることは難しい。

キレイに忘れるなんてできないかもしれない。

忘れた気になるのは簡単でも、気持ちを忘れるのはいたく難しい。

過去がなければ、想い出がなければ、今はない。

私の過去が未来の私を縛るなら、そんな昨日もそんな明日も必要ない。

できることなら、想い出のなかにだけ生きていたいと願うから。

明日もそうなるようにと生きてゆくだけ。

私の明日よ、そうであれ…

  • 2006年5月 2日 19:19
  • 松田拓弥
  • Poetry

キミに逢えたら

夜空に舞う星のきらめき
いくつキミに重ねたろう
きっと逢える
その日までの永い夜に…

月の雫がまるで太陽の光ように
見上げた時計を照らしだす

もしいつかキミに逢えたら
数えた夜を 重ねた朝を
そのとき時計に刻みこんで
僕らの時を心に結ぼう


逢えないことはわかってる
逢えないところにいるんだから
いつかは消える
その日までの永い道のり…

キミへとつづく風のそよぐ道しるべには
花が咲いて色づきはじめる

もしいつかキミに逢えたら
今はまだ見ぬキミの微笑み
心のそばで色鮮やかに
キミの笑顔が花になる
涙なんかに変わらぬように…


キミに逢えたら
僕の気持ちを打ち明けよう
キミに逢えたら
この詩をキミに捧げよう
もしいつかキミに逢えるその日がきたら
僕がキミに歌をうたおう


それが今の僕にできること
キミに逢えたらできること

  • 2006年5月 2日 09:35
  • 松田拓弥
  • Poetry

LOVE & PEACE

手をつなごう
空と大地がつながるほどに
手をつなごう
人の心が結ばれるように
平和を願う気持ちと
愛がほしいという気持ちと
なにより大切なもの
手をつなごう
抱きしめ合うよりキスよりセックスよりも
まずはみんなで手をつなごう
それが一番の麻薬になる
みんなが望む【LOVR & PEACE】を信じるために
手をつなごう
手をつなごう

  • 2006年5月 1日 22:55
  • 松田拓弥
  • Poetry

LOVE

誰も教えてくれなかった
人をこんなにも愛せることを
自分で気づくべきだけど
いつか誰かに教えてもらえるものと
逃げていた

教えてほしい
人を深く抱けることを
人を強く愛せることを
たとえこんなに小さな胸でも

愛してほしい
そう願うと
いつも涙があふれてしまう
あなたのぬくもりだけじゃ満たされず
あなたの過去さえ欲しがってしまう

生きてく意味がわからない
自分が今ここにいる理由が欲しい

みんなが愛や恋の話をはじめても
何も言えずに笑ってる
人に話せるほどの愛を知らない
人と話せるほどに恋をしてない

愛されることを知らないまま
ひとりで生きていけるほど人はそんなに強くない
だけど人が言うほど人はそんなに弱くもない
強がることができるから……

「愛こそすべて」
映画の主人公より今はわかる
愛されたことにも気づけずに
愛することも忘れかけて
それを知らない時間の上を
あまりに長く歩きすぎてしまったから

だけど失くしたわけじゃない
それを求めて自分の足で歩ける限り

  • 2006年5月 1日 18:07
  • 松田拓弥
  • Poetry

はいからな口唇

いつもゆがんだ笑みを見せて
いつもゆがんだ景色を見てる

アメリカの夢
イギリスの霧
餓えた夢でメシを見る
餓えた瞳でメシを食う

外国が好きだからって
それをマネてみたり
ホコリまみれのサングラスも
照った陽射しを透かしてる

見知らぬ言葉を眺めることで
その口唇がうらやましく見えたりしてる
自分の口唇をひとまわり舐めてみる
味噌とカネの味しかしない

煙草選びも“日本語以外”を手にとって
ジッポも買ってオーバーアクション
ハリウッドの看板だけを眺めてる
煙草を踏んだ自分の踵は焦げるけれど冷めてゆく

薄くても 厚くても
いろんな言葉をしゃべりだす
人の心に探りを入れてかき混ぜて
見透かされた自分の心を隠すように

なんでもかんでも飲み込んで
なんでもかんでも吐きだして
そこにできた はいから模様
そこに見えた はいから模様

小粋なことも言えぬまま
はいから模様を眺めてる

  • 2006年5月 1日 11:33
  • 松田拓弥
  • Poetry

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