欠けた満月

君は誰のものでもない
妻でもないし愛人でも
恋人でもないし女でもない
僕の大切な人

今までは明日が見えずにいて
誰のものでもない明日が
今はちょっとだけ形を変えて
いつも同じ場所にある

たとえ“きっと”がついたとしても
明日もその人のそばで眠るんだろ?
同じ夜がきて同じ朝を迎えて
同じようにまた来る明日を思い描くことができるだろ?

明日はこのまま来なければいい
そんなことを聞いたけれど
それは間違いなくまた来ることがわかってるから
僕にそっと残してくれた唯一のぬくもりだったんだね
きっとそれは僕も同じだったんだ

たった1つの永い夜も明かせない
いつも時間に押し流されて
今日は手をつなぎたい
それぐらいしか思い描けない

体を重ねれば重ねるほど
何かが穢れてしまいそうで
怖くて不安で
言葉でしか伝えられない

君が僕を思い描くとき
どこに重なってるのかな

未来がないだなんて言えないけれど
僕が思い描ける夜にいつも同じ月はいない

  • 2007年1月19日 01:14
  • 松田拓弥
  • Poetry

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