#405

君の孤独
僕の孤独
みんな誰しもがその胸に抱えてる孤独

独りで何処かの名もない木を探しに行くより
きっと大勢で何処かの森へ入っていく時の方が強く感じる淋しさや不安

みんなとはぐれることのほうが
きっとつらいんだ

ひとりだったら泣けるのにと
誰かの前で涙を流すことを
なぜかためらってしまうように

大切な人は誰の心のなかにもいて
そして君をそう呼んでくれてる人が必ずいる

そこに目を閉じることはない
恥ずかしがることもない
胸を張ってそう呼べる

笑顔もぬくもりも何もいらない
失ってきたものを取り戻せるなら


愛を捨てた
愛に捨てられた
そう思っていた

だからそれと同じぐらい大きなもの
夢にしがみついたんだ

そこから抜けられないんだよ
怖いんだよ

いつも誰かに愛されたくて
褒められたくて
リッチになっていつかみんなを見返したくて
泣きたくて
泣きたくて
泣きたくて
言えないけれど叫びたい

まつ毛を焦がすほどそばで揺れてた炎より
自分の体より大きな夢を
いつかそれを支えられるぐらい大きくなった自分を抱いていた

目を閉じなければ届きそうもない
途方もない場所を目指していたとしても

きっといつかはめぐり逢える
いつかそこに思い描いていた自分に

理想論
美しいよ

そばにいてくれる誰もが
ただそばにいてくれるだけの誰もが
わざわざきれいなものまで汚していくような
泥沼のなかで小さな光をたぐるような
語り


だけど今まで失ってきたものを取り戻せたら
今がきっと今じゃなくなってしまうんだろう
今そう呼んでる人たちを
そう呼べなくなってしまうのかな
変わらないと
変わりたくないと口では言っても
いつか変わってしまうのかな

それじゃヤだよ
それじゃ捨てられたままなんだ
愛っていう不確かで何より暗い目隠しをして
誰も何も見えないままなんだ
淋しいよ
やっぱり
それじゃ


夢は大きな一歩さえ飛び越えられる羽根じゃない
小さな恋を積み重ねてきた愛でもない

知らぬ間に降り積もる雪のように
大切な人を思い そこに捧げる祈りのように


そんなふうに

  • 2007年1月13日 03:54
  • 松田拓弥
  • Poetry

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