ガラス瓶

互いの望むぬくもりの上で何度も体を重ねてみたけれど
いつもそこにはコンタクトほどに薄い冷たさが隠れてる
そこに触れたら反射的に体が離れてしまうように
終わりはないけど途切れるたびに
あなたは優しい言葉やキスをくれるけれど
いつの間にか汗が静かにひいてくように
時間と事実と嘘とともにわたしのなかから抜けていく

嘘でしか何も共有できないのかも
あなたとわたしは違うから
でもその誤解を埋めるのもわたしたちでしかない

真実なんて欲しがれば
きっとわたしは泣いてるだけ
あなたが望む関係なんて
これまでずっと嘘の上に嘘を重ねて
やがてそれが大きくなって築いてきただけ
“いい関係”なんて
どちらか一方に都合がいいだけ
そして自分のなかにできていく小さく冷たい深い穴を
焦がすようにふさぐだけ
ごまかして ごまかされて

わたしたちがいつも求め合うように
嘘の上にしかわたしが欲しいぬくもりなんて感じられないのかも

  • 2006年10月24日 19:13
  • 松田拓弥
  • Poetry

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