それだけで、すぐわかる。
昔っからそうだった。
人を、その人のにおいで判別してた…きっと無意識なのかもしれないけれど、シャンプーとか香水とか、その人が乗ってる車のそれかもしれないけれど、その人にはその人の“におい”ってのが必ずある。
抱かれたとき、抱いたとき、すれ違ったとき、触れたとき、いろんなときに、いろんなところで、いろんなにおいを感じてる。
それがやがては、その人のぬくもりに変わったり、その人の証になったり、その人との証になったりする。
一人ひとりがそれぞれで、絶対に、同じにおいは存在しない。
必ず「これ、○○のにおいだ…」って、なぜかひとり言みたいにつぶやいてる。
懐かしむように、記憶のなかに刻みこもうとするように。
でも胸のなかに記憶するときには、いつも必ず無意識なんだろう。
出逢ってすぐには、そんなにおいは感じない。
10回通ってもその国道の名前すら憶えられない俺だけど、そういうのは1回逢えば必ずと言っていいほど記憶に焼きつく。
そして、そのにおいが一番あふれるような、感じるような、そんなしぐさがその人には必ず1つはある。
そこに1番の魅力を感じたりもする。
そんなふうに、自分じゃ気づけないものがある。
- 2006年7月 6日 00:16
- Essay