趣味:人間観賞
人を見ること。観察すること。日記。メモは取らなくても、なんとなくボヤけて残る人の輪郭。行動。しぐさ。靴。髪。腕時計。
誰でもいい。
とにかく自分を見て欲しい。
ここにいる自分を見てほしい。
胸の内、全部を吐き出すなんてできやしない。誰にも言えずに、どんどん自分のなかに積み重なってく。
自分のなかの、自分の本音。
人がじっとこちらを見てる。それに自分は気づかぬフリ。得意なのは、そんな“フリ”をしてみること。
相手が気づけば、こちらは全然見てないフリ。それは単なる暇つぶし。人のことなんて、ホントは特にどうでもいい。
自分のなかの、自分の建前。
名前も知らないあなたを見るから、自分を見てほしい。
他人だけど興味を持つから、わたしに興味を持ってほしい。
だけどわたしはあなたに興味がない。見られても、見ない。声をかけてくれたとしても、わたしはそれを無視してしまう。
これが売れないなら、わたしも買わない。なぜなら、せっかく築きあげた自分ってものを壊されそうで怖いから…たとえそれが、壊されるんじゃないってわかっていても。たとえ壊してほしいと心のどこかで思ってるとわかっていても。
自分のなかの、人への本音。
わたしは何も壊さない。わたしは何も犠牲にしない。わたしは何も見捨てない。わたしは何もわたしじゃない。わたしは何も欲しくない。わたしは何もわかってない。
自分のなかの、人への建前。
興味を持たなきゃ、誰も自分になんて興味を持たない。
好きにならなきゃ、誰も自分を好きになんてなってくれない。
見なきゃ、誰も自分なんて見てはくれない。
何かをあげなきゃ、誰も自分に何もくれない。
いつも見返りだけを求めてしまう。
まあね。
別に。
いいんじゃない?
笑ってごまかす。
背を向ける。
気持ちの整理なんてできやしない。
1秒ごとに変わってく。
気持ち。
自分の気持ち。
この気持ち。
どこにも行けやしない。
心。
自分の心。
この心。
どんなに深く押し込んでも、心だけは押し込まない。
押し込めない。
誰にも渡すことのできないこの心。
固く閉ざした扉のように、誰も開くこともできない。
自分だけの心の扉。
一体そこには何があるのか。
それは自分でさえもわからない。
怖い。
すごく怖い。
怖くて怖くて仕方ない。
なにもかもが怖くて怖くて仕方ない。
なにもかもが不安で不安で仕方ない。
今。
自分が消えたら何が変わるか?
友人たちの頬を涙が伝うか…
大好きだったベランダのサボテンさえ枯れてしまうか…
大嫌いな太陽の光もここには届かなくなるのか…
きっと何も変わらない。
ぼくがいなくなっても何も変わらないなら、ぼくがいて何かを変えたい。
そして誰かが喜んで心の奥から笑ってくれたら、それは、ぼくがいてホントによかったと思ってくれたことだ。
笑ってほしい。
笑ってほしい。
いっぱいいっぱい笑ってほしい。
ぼくがいてよかったって、誰かにそう言ってほしい。
そしたらきっと僕も心の奥から笑えるようになると思う。
そしたらあなたも笑ってほしい。
素直に心で笑ってほしい。
ありがとう。
ごめんね。
イイじゃん。
ダメじゃん。
やっぱイイじゃん。
- 2006年7月 3日 09:22
- Essay
ランキング参加中なので。
単語連鎖
- あとがき : Especial for you
- まえがき : 5’