5’

不安が消えない
いつも胸のどこかに抱えてる
すごく大事なものを守るように
いつかこぼれた涙のように

過去をいつも振り返るたび
同じ傷みが胸を刺す
まるでそれだけが想い出だったというように
そしてまた繰り返しの未来を怖れてしまうように

新たな道を歩いてきたと胸躍らせて
はたと立ち止まってしまったとき
同じ道が少し景色を変えただけと
今度は進もうとしていた道を見失ってしまいそうになる

きっとどこかにこの終わりがあると信じながら
それさえ恐れて何度も同じ始まりを求めてく
そして消えかけた道しるべをなぞるようにまた
同じ安心をくれる場所へと同じ不安を連れてゆく

笑いながら振り返って
泣きながら前を向いて

また歩きだして同じ不安に立ち止まってしまったときは
そこで思いきり泣いてしまえばいい

  • 2006年7月 3日 02:46
  • 松田拓弥
  • Poetry

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