男の沈黙に効果的な防止法

 男が怒るときってのは、たいがい追い込まれてるとき。
 つまり、自分より頭のいい人間といるときだ。
 そういうとき男はすこぶる怒りっぽい。
 どんどん自分の無知というかなんというか、ものすごい劣等感が募ってくると、どうやってそいつを凌駕しようか悪あがきをする。
 でもどうしようもないと、脳みそがパンクして、キレる。あるいは、フテくされる。
 投げだすってやつだな。

 男は、恐ろしくプライドが高い。
 たぶん女の人のそれよりあると思う。
 まま、女の人とは琴線に触れる部分が違うと思うけど、男の場合、それは自尊心のなかでも地位とか名誉とか、知識とか、なんかそっちの方面だと思う。
 女の人ってもっとこうなんていうのかな……内面的な部分だろうから。
 男の場合、もしそれに対しては自信がなくても、いったん自分が言ったとあらば、それはもう自尊心のなかに含まれちゃうわけだ。
 女の人は、それに対して自信のあることじゃなきゃ自尊心にはならない気がする。知ったかは得意だろうけど、そのへんはプライドにはなんら関わってこない。
 でももし、自信のあること、あるいは、自信もなにもまったくなく、特に意味もなくなんの気なしに言ったこと、やったことに対するにいちゃもんをつけると、じっくりコトコト煮込むスープみたいな怒りを買うことになる。
 万が一にもやっちゃいけないことだ。

 あ、でも、女の人のそれって、けっこう女どうしっていう状況じゃなきゃ発生しないような気もする。
 対男には、そんな自尊心やプライドは、鼻クソみたいなもんだろう。あってないようなもので、気にすればあるけど、気にするような価値もないみたいな。
 男に対してなら、ほぼその全部が、なにかしらの形で自分に関係してくるものじゃなきゃ、そんなの持ったってしょうがないぐらいの感じだろうか。
 外食に着ていこうと思ってた服を変えろと言われたとか、変えた髪形に触れてもくれないとか……
 女に好かれたきゃ、自分たちの関係よりも、むしろそのまわりにひしめき合う女どうしの関係のほうに気を配ったほうがいい。
 ただ、心配を注ぐのは、いつでもその本人に対してのみにしなきゃいけないっていう補足も必要か。

 とまあ、男はそっちの面で侮辱を受けると、ものすごく怒る。すぐ表に出て、ムッとした顔になるからすぐわかる。
 沈黙は、たいがいそういうことだな。

 怒ったりムッとすると、いきなりしゃべらなくなる男が多い。一瞬でも、必ず沈黙が入る。実にわかりやすい。
 たとえ一瞬でも、目つきが変わるってのも、また然り。ピクッてなる。
 だから、頭のいい女はモテないって、そういうことだろう。
 少なくとも、自分より頭のいい女ってのは、たぶん男にとってフラストレーションのかたまりみたいなもんだ。
 鼻につくのが一番ダメ。
 男が一番好感を持つタイプは、きっと“自分の話に敬意を以て食いついてくれる女”だろうな。
 ただ食いついてきてもダメなんだな、これが。
 とはいえ、それは男に限らず、女でも一緒かとは思うけど。
 自分に興味を持って寄ってきてくれる人に興味を抱かない、そんな人間はいないだろうからな。
 でも女の人の場合、自分のほうに興味がなければ、その男がなにしようと徒労で終わってしまうもんだ。あるいは、逆に利用されるだけか。
 だから、もしわからないこととか理解できないことがあったときは、女の人の場合、“なんで?”じゃなく、“へぇ~、そうなんだ。すごいね”が一番効果的だ。
 頼んでもないのに、そのことについてもっと話してくれるだろう。


 しかしどうなんだろうねぇ~……
 女の人もきっとそのへんは本能的にわかるんだろうな。
 ちょっとバカな女を演じながら近寄ってくる。
 それがきっと“賢い女”っていう感じなのかな。
 逆に、バカだなぁ~って思うのは、自分の頭の良さをひけらかすような人でしょうか。“男はバカだ”って、もうすでに決めつけてかかってくる人とか。
 男と接してるとき、心の片隅にちょっとでも思ってれば、言わずもがな、言葉の端々にとかしぐさのひとかけらでも、どっかには必ずそれがにじむもんだ。
 まあ、日ごろからずっとバカだと、男もあきれてさすがに嫌気がさすけど。

 もう“天然”もダメだな。
 付き合ったとしても、すぐ別れが忍び寄ってくるかと思う。
 これもまあ、僕の個人的な好みの話かな。
 実際身のまわりにいれば、必ず相変わらずまだまだ人気は高いだろうから。

 つまりはさ、男の言う“頭のいい女”って、きっと“自分にとって都合よくバカな女”ってことなんだろうな。

  • 2006年6月23日 01:31
  • 松田拓弥
  • Essay

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