落ちてた月を蹴り上げた
泥が飛んで
ズボンを汚して
月の雫と静かに踊る
まだ長靴なんてはけてた頃に戻ったみたいで
なんだかぼくは嬉しくなった
まだ体が小さかった頃は
心はもっと大きかったような気がする
体ばかりが大きくなって
夢や希望を小さくしてきた
だけどそれは 今どこにあるんだ?
見上げた空にも月があって
地面の空にも月があった
どちらの月に触れられるだろう
もしかしたら蹴り上げたのは
ぼくのなかの小さくなった心だったか
けれどそれが今 ここにあるんだ
きっと明日は天気がよくて
また陽射しがそこを照らしたら
ここにはもう小さくなった月さえ映らず
ぼくのズボンを汚すだけの
石ころみたいな夢や希望が積もるのだろうか
- 2006年5月19日 23:37
- Poetry