きらめき感じた瞬間だった
首だけ向きを変えて振り返ったら海があって
そこにはやわらかな陽射しを照り返す光の海があったっけ
ぼくはそこに背を向けて
潮風に打たれて小さな波を作る草原を眺めていた
その波は果てしなく
見えなくなるまで続いてた
背中には海の香りを運んでくる
耳にはさざ波の音を打たせてくる
ただ感じていれればいい
海岸沿いを走るより
見果てぬ海のむこうを眺めるよりも
今はこうして君を抱いていたい
今ぼくの腕のなかに海より優しい君がいる
そっと伸ばした腕のなかに君を抱ける距離にいるなら
光の海より優しい君を
静かな海より優しい君を
揺れる花より優しい君を
君はぼくの肩越しに大きな海を見てればいい
ぼくはそんな君を感じられればそれでいい
ぼくは海を見に来たわけじゃない
ただ感じていれればいい
- 2006年5月19日 05:50
- Poetry