Dick

10/13(Sun)

たったひとりで交差点に立っていた
缶コーヒーが歩いてる
そんな感じの人の群れ
にぎりつぶしてしまいそうな自分の枠
いくら傾けてみても苦いだけの缶コーヒー

ボタンを押すたびその表情が変わってく
顔色集まる交差点の信号機
いくつ色があるだろう?
どれも見分けられないで
どれも見分けた気になって

ネオン街
ふと見上げれば低く重たくふさがって
その上の空が見えない

値段がなくてもタダでもらえる
もしも奪っていたとしても
それは「もらった」と胸を張る
記憶になけりゃ「降ってきた」とでも言うのだろうか

光まばゆい華やかな世界の舞台で影を知る
それはどんな闇より深く重く歪んでた
ギラつくような音楽のうなるような重低音
スピーカーも壊れかけてる
その隣で肩寄せ合って耳寄せ合って
微笑むふたりは光とともに消えてゆく

代表だってそういう1人にすぎなくて
それを自分の旗みたいに振りかざしながら歩いてく
だけどその道の先にはいつか終わりがやってきて
やがてはそこの雑草をむしることが仕事になってる
それも中途半端に…
それも自分の庭だけを…
そして、生えてもいない雑草ばかりを…

そんなじゃいつまで経ってもマツタケなんて生えちゃこないさ

  • 2006年5月19日 04:57
  • 松田拓弥
  • Poetry

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