たったひとりのひと

僕のこの小さな胸は
いつも伝えたい言葉であふれてしまう
必死にとめてた涙みたいに…
あなたは泣いてたね…
笑ってもいたよね…

あなたはずっと僕の横顔を見つめてた…知ってるよ
僕はまっすぐになんて見れなくて
あなたの瞳は 僕には優しすぎるから…

別の景色を眺めては
なんでもよかったんだ
僕はそこで何もかもをゆがめてしまってたんだと思う…
あなたへの気持ちも…
僕の気持ちも…

でもまたこうして普通にあたり前のように
そんな関係でおしゃべりできるようになったんだね
僕は本当は嬉しいんだ 嬉しいんだ 本当に嬉しいんだ
今は一番身近な人に思えるんだ

今正直に言うよ
最後に見送ったあなたの小さなうしろ姿が
あのころの僕にはとても淋しくて
ホントは消えてしまいたいとさえ思ってたんだ…
もっとずっとそばにいてほしかったのに…
あの日に飲み込んだ涙が
今は後悔と一緒に同じ涙に変わってる

孤独と自由は違うんだって そう
あなたが教えてくれたんだ
僕はもう独りなんかじゃないんだね
だってあなたがいてくれるんだから…

霧雨みたいなあなたのぬくもり 音もなく降り注いでは
僕の心に小さくあたたかな余韻を残して…
いつものひとりきりの帰り道

そう 2度目に逢ったとき 僕は「風邪」と言ったよね
涙がこぼれてしまいそうだったんだ
曖昧な微笑みであなたの心配そうな眼を隠したね

もっとあなたに素直になれれば
もっと早くこの気持ちに気づけたはずなのに…

あなたに逢ってちょっとだけ人に優しくなれた
なにかをどこかで許せた…そんな気がした
自分以外のひとをこんなにも深く愛せるなんて
自分でも知らなかったことだったんだ
それもこれも何もかも あなたのその微笑み
僕のことなのに 誰よりも詳しいあなたの心が教えてくれた

「ありがとう」
「本当にありがとう」
ほかの誰より大切なあなたに 今なら素直に言えるよ
僕にも「たったひとりのひと」がいる

涙…涙…って何度も何度も繰り返してるね
あの日あなたが流したあの涙と一緒に抱きしめてくれたこと
あのころの僕にとってはなによりの言葉として心の奥に響いたんだ
こうして今あなたへの想いをつづりながら
今も涙をこらえてる

過去は過去で 照れも涙も 傷も全部
みんなそこに置いてきぼりで
いつかは青く澄んだ空の下で
手と手をとって ふたり並んで歩きたい
話したり話さなかったりよそ見しながら

  • 2006年5月11日 21:37
  • 松田拓弥
  • Poetry

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