鼻がきく

 【鼻がきく】とは、よく聞く言葉。

 そうだ、それは大切なことなのだと気づく。
 それに気づいたのは、ある人との出逢いがきっかけでもあり、バイト先のテンキーをポコポコたたいてたという偶然とも一致したときの気分だった。


 有名な人のお言葉ちょうだい。
 “人はまず、ニオイをかぐ。それは、自分の鼻がそれを受け入れられるか否かを判断するための、本能的なしぐさである。それを近づけるか、遠ざけるかは、自分の鼻が決めることである”

 …って、実は、無名な俺のお言葉なんだけども…でもコレってけっこうあると思ったから、特別に枠をとって載せてやった。

 【臭気】と書くと、それはきっとクサそうな印象が全身を駆けめぐる。【臭い】と書いても意味も文字も同じになるし、もし【臭気剤】なんて名前なら、中身は同じものでもきっと誰も買わないと思う。
 【芳香】なら、とても女性的で優しそうな感じがする。【匂い】と書けば、これまたいい感じだろう。やっぱり【芳香剤】っていう商品に手が伸びるでしょうな。

 これだ。これなんだな。
 文字を見ただけで、なんとなく鼻がピクピクと反応してしまう。
 文字や響きから受けるイメージが、そのままもうできあがってしまうわけだ。

 人はまず【見る】と思いがちだけど、実際に見たらば、本当にあくまで【見る】だけだと思う。想像も確認する必要もないなんて勝手に体と頭のほうで判断しちゃって、その目に見えたものがすべてになっちゃうと思うんだわ。
 だがしかし、【におい】だとどうだろうか?
 ガスのにおいをチラッと左の小鼻がかぎとったとすると…絶対確認しに行く。そして、そういうニオイにはすごい敏感な反応を示すと思う。
 もしシューって鳴ってたら止めるだろうし、なんもなかったらひと安心。目でも見てるわけだし。
 イヤなものほど敏感に働くわけだ。

 でも、この【におい】ってやつは、そういう本当のにおいってやつだけにはとどまらない。
 人の見た目とか姿からでも、会話でも、恋愛でも、信用問題でも、きっと何にでも通用するものなのだと思うんだな。
 本当にその人からなんかニオイを感じたら、それは好きなものか嫌いなものかで決まるだろうし、なんか雰囲気とかからでも「こいつ、なんかニオうなぁ~」なんて感じることもある。
 うまい話に「これは信用しちゃならん!!」って感じるのも、きっとそれはそお会話のなかで本能的にそんなニオイを嗅ぎつけたからだろうと思う。
 そんなふうに、人はいろんなところから出てる【におい】を嗅ぎ分けてるんじゃないかと思った。

 だから、鼻が悪いっていう人は、どうもパッとしないとか、イマイチ信用できないかもな、なんていう印象を受けたりすることがままある。
 気づけば、なんかいっつもボケーッとしてたり、なにかと行動に移すのが遅かったり、集中力に欠けてたり…
 とまあ、これもまた俺の勝手な思いこみの域を出ないけども。
 【鼻がきく】ってのはまた別の意味だけども、俺のまだまだ短い経験からの教訓の1つだったりする。でも、俺の友達が1人、プロの競輪選手になってガンガン稼いでるやつがいるのも、これまた確固たる事実。

 恋愛では、感情がにおう会話とか言葉選びとかしぐさとか…あ、この場合は【にじむ】のほうが的確かもしれまいに?
 恋愛では、まったく夢のない発言かもしれないけれども、きっとお互いかどっちか片方の【勘違い】から始まるんだと思ってみたり。
 で、そのきっかけが、お互いの何かしらの行動だったりしぐさだったりから嗅ぎ取った【におい】じゃないかと…
 相手ににおわせる会話のできる人は、恋愛への運びがうまい。まあ、俗に言う“思わせぶり”ってやつだな。
 直球ストレートで伝えると、それはそれでわかりやすいのかもしれないけど、実際にはその瞬間は、冗談として笑われて終わりということもある。まあ、その間柄にもよるだろうけど、それはそれでけっこううまくいかなかったりする。
“ん? もしかしたらこれって……”
 恋愛においては、これが絶大なる効果を発揮するわけだ。けっこうモヤモヤしたものを人に残すと、人はそれを自然に追及しようとするわけだ。
 だから実は、気持ちを恋愛にもっていくということは、案外簡単なことだったり…… 
 あぁ~夢がない!!
 やめた…

<!--と思ったけど、いい展開になりそうなので、このまま引っぱることに決定-->

 でも、信頼関係でも、恋愛と同じような原理だと思う。
 まあ、これはこじつけかもしれんけど、その人の人相とか出で立ちとか、あとは服装だったり髪型だったり…いろいろか。
 たとえ強面でも、どっかからいい感じの“におい”を発してれば、絶対の信頼を得られたりすると思うのだな。
 逆に言えば、ちゃんとしたスリーピースのスーツ着こなして、髪もピッチリ七三分けで、高級な香水つけてようとも、他の部分で胡散臭そうだったら、それはもうそれまで。
 あ、そうだ!!
 【胡散臭い】って字もあるな!!

 つまり【嗅覚】ってやつが重要なんじゃないかと思うわけ。

「危険なにおいのする男に女は惹かれるものよ」
 映画のなかでは、もうかなり昔っから使い古されてる言葉だ…
 で、とにもかくにも、“いいにおいのする女”に男は惹かれるものなんだな、これが。

 でもって、これけっこうあると思うんだけど、そのにおいでその人がだれだかはっきりと判別できるということ。
 昔の恋人を抱きしめたことがある、抱きしめられたことがあるって人なら、きっとここで大きくうなずいてると思われる。
 香水をつけてようがいまいが、その人の“におい”って必ずあって、“あ、やっぱりこの人だぁ~”っていう不思議な安心感というかなんというか、そういうのは体が憶えてるって感じで認識して理解して、たとえそのときはもう好きじゃなくてもけっこう受け入れちゃうんだな。
 記憶のなかにあるっていうだけで、けっこう人って、それがほとんど直接安心っていうところにつながってるんじゃないかと思うわけ。
 まあ、声もそうかもしれないけど、においっていうのを知っていれば、そっちのほうが強烈に伝わる。
 “もとさや”が一番結婚に向かいやすいってのは、きっとそこにあるんじゃないか?
 記憶のなかにありつつも、そのときはまた改めて新しい転機になってるっていうことでさ。新しくもあり、安心もあるっていう感じで。
 で、そのにおいには自分もなじんでるっていうかさ。
 なんか“ああ、なんか懐かしいにおい”とか、そういう曖昧なものじゃなくて、人のにおいの場合って、もう“あ、これはこの人のにおい”とか“あの人のにおいだ”とか、もっとこう、完全に鮮明な形で記憶にあるんだと思う。焼きつくとか、刻印みたいな感じで。

 まあ、つまり、結局なにが言いたいかっていうと、においを出せないやつは、なにをやっても感じてもらえないというわけだ。

 しっかし同じことばっかし書いてんなぁ~…そろそろネタ尽きてきたか、俺?

  • 2006年6月23日 03:49
  • 松田拓弥
  • Essay

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