メロディー

僕が君を想うとき
言葉にたいして意味はない

世界で一番小さな花
夕陽に向かうカラスの羽根

ほら
どんどんそれらが消えてゆく

茶色いやつが隠れて栗を味わいながら
大根かついで樽の中
トッポイやつは指先で
おもちゃの地球をまわしたがる
その中心じゃ空洞だけが熱くたぎる
大草原にそよ風を
蛇の口には蛇の頭を
クチナシの実に流れる汗を
砂漠に塩を
干上がる前にまた雨を
静寂のなかを嵐の前に


僕が君を想うとき
言葉にたいして意味はない

僕から君へのメロディーだから
それ以外のものはない
必要なんてあるはずもない

僕のメロディー このリズム
君のメロディー このメロディー

  • 2006年6月 1日 11:58
  • 松田拓弥
  • Poetry

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