まっしろ

まっしろな紙
えんぴつで描いた夢のかけら
いろんな色で塗りつぶしては
また小さいまっしろな紙

なにも描けない心の闇
いつしか夢はふくらんで
力が入って芯が折れた
小さな点がにじんでゆく

いろんな色のクレヨンも
いつしかどれもが短くなって
色のかけらがせめての面影
想いだせても忘れられてく

お天道様が出てるときには
目を閉じたってまっしろな紙
月もない夜
インクをこぼしたようなまっしろな紙

まっしろな紙
たくさん詰まったえんぴつの芯
まだ新しいクレヨンの先
そこに座って誰を恨もう

今は言葉を選ぶけど
昔はそこに絵を描いた
人より多くの色を使って
人より大きな絵を描いた

まっしろな紙
今ぼくはそれが欲しい

  • 2006年5月24日 02:37
  • 松田拓弥
  • Poetry

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