ふたり 一緒だったのに
いつの間にか迷ってしまって
あなたにはぐれてしまっていた
でも今わたしは一人だけど
まだ前を向いて歩いてゆける
あなたの背中を探している
あなたもわたしを探してくれてる
そう信じていられたから
だけどいつしか疲れてしまって
時折座りこんでしまっていた
いつも心にあったはずの
あなたの背中も消えていた
振り向いてもくれないから
なにを探していたんだろう?
なにを探しているんだろう?
あなたのいない わたしがいる
暗い道では手をつないでくれてたね
遠くであなたを眺めたときもあった
笑ってたね
楽しそうに
嬉しそうに
迷ったりはしなかった
この手を伸ばせば
いつでもどこかに触れられた
そんな距離が支えてくれた
帰る場所もわかってた
またふたりで同じところに戻ってゆける
そんな安心に背中を押されて歩いてゆけた
だけど今は不安や怖さに背中を押されて
ひとりでふたりになるため走ってしまう
もう歩けない
いつ放れてしまったの?
いつから離れてしまったの?
隙間を埋める空を見上げた
だけどわたしは今もまだ
あなたの背中を探してる
ただぼんやりとあなたを想い
森の小径をたどるように
見えない背中を求めてる
だけど今は見つけてほしい
ずっと不安に追いかけられて
わたしはあなたを追いかけて
追いつきたくて 追いつきたくて
きっとうしろを振り返れたら
森を照らす木漏れ日のように
優しい陽射しにすがるように
きっと今は引き返しちゃうよ
ひとりで森から出てしまいそう
もう出たいよ
待ってるだけはもうつらいよ
気づけば私は前だけ見てた
そこに自分の気持ちがあったのかな
置いてかれるのが怖かっただけだったのかも
いつもその先に幸せがあると思っていたから
ほんの少し前にあって
手を伸ばさないとつかめないと思っていたから
だけど違ったんだね
あなたがいたから
ただ肩を並べて歩いてくれてたんだね
いつの間にか私が追い越してしまってたんだね
あなたは先を行ってたわけじゃない
振り返るのにもちょっとの勇気がいるんだね
想いだせる記憶や気持ちも幸せなんだね
私が走りだしてしまったとき
あなたも走ってくれてたのかな?
あなたには逃げているように見えてたのかな?
なにを探していたんだろう?
なにに迷っていたんだろう?
夢?
一緒にまた帰ろう
- 2006年5月22日 07:23
- Poetry