ホタル

そこにあった小さな光を両手ですくう
つかまえられた
そんな気がした
だけどそこには光はなかった
闇のなかへ顔を上げた
ぼくは光のなかに立っていた

舞い上がれ 舞い上がれ
空の星よりまぶしく輝き
死にゆく光を解き放て
舞い上がれ 舞い上がれ
生きゆく光で夜空をかざそう

まるで地面の下から出てきたように
ポツ、ポツと ポツ、ポツと
そして消えてはふわりと
死を招いているような
生きてくことを叫んでいるような
目を閉じても見えていた

舞い上がれ 舞い上がれ
月の微笑に重なって
見えなくなるまで飛んでゆけ
舞い上がれ 舞い上がれ
闇を照らす夜空のように
なにも恐れず
ふわり ふわり


ポツ、ポツと
ふわり ふわり
ポツ、ポツと
ふわり ふわり

  • 2006年5月22日 01:06
  • 松田拓弥
  • Poetry

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