人は、いつも目に見えるカタチを求めてしまう。
きっと安心するんだと思う。
科学で証明できないものは信じない。
そんな感じをテレビから吸収したりして。
あるいは、教科書の全部を埋め尽くすあのちっこい字がそうさせたのかもしれない。
人の価値を数字で刻む座標の上を歩くからか。
それはどっちに転んでも、「X」でも「Y」でも、目に見えなきゃ信じられない。
自分のこの目で見えなけりゃ、いつでもどこでも不安になる。
安心もイイけど、不安もイイ。
違う。
目に見えないからこそ、欲しくなる。
目に見えないからこそ、誰もが手にすることができる。
目に見えないからこそ、信じれる。
人は、それを手に入れてしまうと、やがてそれを忘れてしまう。
だけど絶対離さない。
それがあって、別のなにかも欲しくなる。
それは持っててあたり前だと感じてしまう。
目に見えても見えなくても、忘れようと憶えていようと、いつかきっと信じれる。
それが目には見えないモノのカタチ。
きっと誰もが手にすることができるモノ。
目に見えないものが一番大切だとは思わない。
目に見えないものこそ一番大切なものだと気づくこともないと思う。
目に見えないものが希望だから。
きっといつかは手にすることができる。
そう信じることができるから。
忘れたくない。
きっと誰もが手にすることができるから。
いつかきっとその手で触れることができるから。
そしてその時が来たら、その手はずっとその感触を忘れない。
今度はそれを信じたい。
- 2006年5月20日 07:39
- Poetry