LADY

やわらかな曲線

空と海の隙間みたいに美しい


優しい口唇

紅いジュースをこぼしたように濡れている


その奥を隠しながら透きとおる瞳

なにも見ずに風のように流れてゆく


ちょっと他人のかおりが漂う髪

自分のなにを隠すか戸惑うように


いつも生まれたてのようなにおいがする

だけどその胸 悪魔のようになんでも抱ける


もっとも美しく聡明な天使が地上へ降りて悪魔になったという

天の光で大地の影を大きくしたのか

それともそれは男の偉業と言えるのか

闇夜に爪が突き刺さる


いまだに【女】って字がうまく書けない

いつもどこかバランス悪くて何度も何度も書きなおす


いつか完成するのだろうか

なにもかもが自問自答

いつか終わりがくるのだろうか

始まりさえもわからぬままに

いつかすべてが見えるのだろうか

髪に隠れたピアスのように


ちょっと年が上ってだけで、それだけやけに気にしてたろ?

なにもわかっちゃいないんだよ、本当に……

  • 2006年4月29日 23:36
  • 松田拓弥
  • Poetry

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