2006年8月の文章リスト

“ 2006年8月 ” 分の文。

みんなでカラッポ

 もしかしたら、自分、けっこう病気かもしれない…いや、病的っていったほうがうまいことガチッとくるかもしれない。
 しかしながら、躁鬱とか、鬱とか、風邪とか、精神障害とか、人格問題とか、そういう小難しい名前なんてついてないだろうし、スゴクもないし、ましてや薬もらって治るようなことでもないんだろうし、そんな薬もないんじゃないか?


 いろんなこと考える。
 考えすぎるらしい。
 いっつもなんか考えてるし、考えてないことないと思うし、考えてなければ「考えてない」って頭んなかでそれを意識しちゃうし、なんか意識してないとダメらしい…
 頭が痛い…
 頭の前のほうと、こめかみの斜め50度ぐらい上らへんと、後頭部の首のなんとなくくぼんだ間をまっすぐ上に行って骨ばったところの、そのちょうど1点が痛くなる。
 そんなときがある。
 ありゃヒドイ…
 頭が、頭のなかからブッ飛びそうな勢いある。
 うずくまるときもある、と思う。
 あんまり憶えてないけど、なんとなく頭を両手で持って、1人で「ゲーゲー」言ってブツブツしゃべって、頭をグルグルまわしてみたり、なんかいろんなこと始めてる気配みたいのはある。
 あと背中が痛む。

 落ち着きがない。
 かと言って焦ってるわけじゃないし、なんかしてないと気がすまないって質でもないし、ただ座ってるってことだって、充分に可。
 でも、どっか1点だけを眺めてるってのができないらしい。
 でもそんな瞬間はある。
 でもその次の瞬間には、なんか考えはじめる。
 そんなときは発狂する。
 歌いだし、踊りだし、クルクルまわりだす。
 頭のなかもまわりだす。

 【考え病】
 あえて名前をつけるなら、そんなとこ。
 頭のなかが落ち着かない。
 でも、そんなふうに自分でわけわかんないことしてるときに一番幸せを感じる。

 【幸せ】って何だ?

 恋や愛、「好き」とか「愛してる」って、何だ?


 “人の永遠のテーマ”と、人は言う。
 人が言う。
 わからない。わかりたくもない。
 恋や愛、「好き」とか「愛してる」って、それ以外の言葉ではうまくしっくりくるような表現ができないんじゃないかと思ってみたりするときがある。
 わがままとか自己満足とか、一緒にいたい、そばにいたい、支えたい、泣きたい、つらい、不安、期待、光、希望、やすらぎ、安定、刺激。
 歌詞を書いたり詩を書いたりしててもいろいろあるけど、でもそれって、あくまでそれでしかない。
「何が好き?」
「何も好き」
 こんな感じになってしまう。
 正直、そばにいてほしいとか、一緒にいたいとか、そうやって条件づけして好きになることのほうが少ないんじゃないかと気づいたりする。
 時に。
 いや、まずない。
 条件なんてないだろうし、好きなものは好きだし、愛してるから愛してると言えるんじゃないか?

 だからって、なんもかんもが間違いって言う気もない。
 広める気もない。

 もしかしたら、そういう気持ちって、カラッポになることなんじゃないだろうかとも思う。
 時々。
 それまでたくさんの気持ちを抱えて、心のなかに詰め込んできたものを全部取っ払って、そこをカラッポにすること。
 カラッポ。
 それからまたいろんなことを吸収したり、詰めこんだり、ゆとりができたり、余裕ができたり、いろんなことが入ってこれるように、そのスペースが自分のなかにできること。
 恋や愛、「好き」とか「愛してる」とか。

 それか、また別の場所ができて、ちょっとだけ自分のなかが大きくなれること。成長とも言えるかもしれないけど、なんとなくニュアンス的に違うニオイがする。
 大きくなれる。
 大きくなれる場所ができる。
 そこが大きくなる。
 でもゆとりがあるからって、もっといっぱいのモノが入れたりしまっておくことができるわけでもない。もしかしたら、ちょっとした「ゆとり」ってやつができるってだけなのかもしれない。
 ゆとりができる。
 そこにちょっとだけゆとりができる。

 恋をする。
 恋に餓える。
 愛をむさぼる。

 なにも食えない。

 納豆ばかり食ってる。

 ネバリがない。

 口のなかに頬張っては、飲み込めずに。

 いろんなことを考える。

 とりとめないし、つながらない。

 的確でもないし、的はずれでもない。

 でも、いろんなことを考えて、いろんなことをつなげてみたい。

 自分なりに。


 プー…ハチミツ…花…クリスマス…ヒゲ…カプチーノ…ブラウン…土…色…病気…ベッド…死…青…水…雲…曇り…のち晴れ…開閉式…女…なんつって。


 できれば、笑って過ごしていきたい。

 なにも恐れず、なにも悩まず。

 ただ笑って過ごしていきたい。

 人よりちょっとでも多く笑えたらいいな…

 カラッポな笑い。

 カラッポ。

 ほんのちょっとだけでも…

 笑えるオトナになれたらいいな…

 だからみんなに笑ってほしい。

 できれば、みんなと笑っていたい…

 みんなでカラッポ。

 みんなとカラッポ。

  • 2006年8月22日 18:57
  • 松田拓弥
  • Essay

空が重い
いつからだろう
こんなふうに大きすぎるものを背負うように
地面を見つめながら歩くようになったのは

空は広い
いつからだろう
こんなふうに見果てぬ空の雲を追うように
その向こうへ憧れるようになったのは

届けたいよ
同じ空を見上げる君に
届けてよ
同じものを背負う君に

もう消えたいと願うなら
僕のもとへ ここへおいで
僕は君を願うから

  • 2006年8月22日 00:49
  • 松田拓弥
  • Poetry

Loveland

気持ちの加減がわからないから
どれだけ愛して
どれだけ不安になって
どれだけ傷つけて
どれだけ傷いても
どれだけの愛がいいのかわからない

素直な気持ちでぶつかったら
ただぶつかり合うだけで
ホントに伝えたいことも
そこで消えてしまいそう

愛してほしい
愛してほしい
愛されるのは構わない
そんな表現さえ浮かんでしまう
それは砂漠のど真ん中で
孤独を叫ぶようなただの渇望
絶望の淵に執着するあきらめもある
そこから抜け出せるのなら
誰でもいいんだ

「愛してる」
心の底からそう言える
嘘じゃない
そう伝えたい人に
そう伝えること
そして満たされたい
それは水の都の端っこから
丘の上を見上げるように
たった1つ泉を探す
あふれくる水に満たされながら
でもいつかは枯れてしまうんじゃないかと
いつも不安になりながら
そして時と孤独に戸惑いながら

  • 2006年8月21日 18:09
  • 松田拓弥
  • Poetry

ワールドグランプリックス

 ついに始まってしまった……

 女子バレーボール ワールドグランプリ!!

 ああ、なんてこったい……
 落ち着くまで、もうちょっとでいいから待ってほしかった。
 またビデオ観戦かよ!!
 もうずいぶん前だけども、あのワールドカップもそう。

 バイトへ行くたんびに、大のサッカー好きが1人いて、ここぞとばかりにしゃべりだすわけです。
 まあ、その彼は、一応俺様がビデオだってのを知ってるのでそれなりに配慮はしてくれるんですが、もう1人のサッカーちょい好きオヤジが、ワールドカップで巷が盛り上がってるからってなにげなさを装って話しだすわけだ。
 そのオヤジは単に暇だから話しかけるだけで、ほかに自分が興味ありそうなことならなんでもいいくせして、俺様がビデオでまだ観てねぇってわかってるのにしゃべる。嫌がらせ以外のなにものです。
 やがて、口々に結果とか試合展開とか納得いかないだの何だのしゃべり散らすので、俺様一喝。
「おまえら、ふざけんなやぁ。まだ観てねぇんだからぁ」
「あ、ごめんごめん。じゃあ別のところで話してくるわ。でもさぁ、どうなるんだろうね……」
 ちゃんとドア出てから話しだせよ。

 美容室に行ったときもそう。
「松田くん、ワールドカップ観てる?」
「もちろん。徹夜デスヨぉ~」
「イタリア優勝したよねぇ」
「あ、そうなの? マジで?」
「え? 知らないの? 観てるって言ったじゃん」
「ええ、全戦ビデオなのですよ。だからわたしのワールドカップはまだ終わってないのです」
 そこからは、ライブ感の特に必要のないイケメン選手の話題に切り替わったのは、言うまでもなかろうて……


 まままま、とはいうものの、このたびはバレーだから。バレーボールだから。あのオヤジも観るんだろうけど、ほかでそんなに好きな人もいないし。
 サッカー好きもあくまでサッカーだけだし。バスケもかなり好きだけど、バレーはさすがにそこまで詳しくないかと。
 まあ観てたって、ワールドカップのときみたいに、誰がどうとか、あれはオフサイドだのうまいプレーだの言ってくれるはずもなかろう。
 あと心配なのは女性陣だが……
 まあいいさ。
 バレーの場合、サッカーと違って映像で観ないとわからない空気感あるしな。あんまり点数入らないサッカーとは違うから、応援する熱の入り方がまるで違う。
 しかも、女子だ。


 にしても、高橋みゆきさん、かなりしぼられてたなぁ~……
 明らかに細くなったと思う。顔とか脚とか、なんか全体的に変わった感じ。
 オーラというか風格というか、なんというか雰囲気みたいのが一番違う。
 やっぱ海外って、洗練されるんだろうか。
 そう、洗練されたって感じ。
 笑顔が、より笑顔な印象。
 表情が、ホントにより際立つ表情というか……まあ、これも風格というやつか。
 存在感がさらに強烈に、そして静かににじみ出てるという感じ。
 いやはや、個人的にたださらに素敵な女性になったって言いたいだけだな、こりゃ。

 なんか日本チームの全選手が、たぶん“人に見られてる”っていうことを意識しはじめたんじゃないかと感じる。そして人気。
 ……なんだろう……男の勘だ。

 そんななか、それをあまり感じないのが、菅山かおるさん……やっぱり可愛い。
 なんだろなぁ~、可愛いっていうのかなぁ~、菅山さんは。カッコイイって言ったほうがしっくりくるような気もする。
 なんだろねぇ~……わかるかなぁ~。
 見た目とか中味とか、そういうんじゃないカッコよさっつの?
 女の人に“男らしいよねぇ~”とか褒めるそういうんじゃなくて、女の人に“あの人カッコよくない?”って訊かれて、“ああ、カッコイイわ”って答える感じ。
 なんかそういうのを感じるわけだ。

 んでもって、今回からスタメンに起用されてる木村沙織さん。
 なにやらセッターもやるらしい……あの“時をかける万能少女”たぁ~、なかなか遠からずって感じだな。
 でも万能ってのは聞こえもカッコイイんだけど、ちょっとォ~……
 やっぱ、万能って言わせるだけの能力があるんなら、そこからさらに“これだけは絶対誰にも負けない!!”っていうのを見つけてほしいなぁ~と思ってしまうのは、自分がスポーツやってたからなんだろうか……
 そして、やっぱ可愛いな、木村沙織さん。
 これまたなんでかなぁ~……昔っからああいうお顔立ちが好きらしい。
 でもまだ若いのかなぁ~。
 まあ、ちっちゃいころからキャプテンとかやってきてるんだろうから、そういう空気というか雰囲気は体とか肌が感じるんだろうけども、テレビの試合中継で映るとき、なんかいっつも笑ってる感じがする。
 それが、時折みゆきさんの見せるような表情が出てくるようになったら、これはもう……
 LOVEはじめました。

 なんかホントにいいもん持ってる人ってのは、やっぱ顔もいいんだな。
 改めて感じ入っちまうよ、まったく。

 んで、もしホントに木村さんが竹下さんばりのセッターにでも成長しようもんなら、こいつはもう楽しみで楽しみで仕方ない。マジでニッポン女子バレーがヤバくなるであろうことは、必至だ。
 しっかし強かった……キューバにストレート勝ちとは!!
 前のグランドチャンピオンとは違って、高橋みゆきさんに頼ってないっていう感じがさらに強くした要因なんだろうかと思ふ。
 高橋さんのユニホームの背中が“SHIN”ってなってたのが、やけに感動した。
 ああ、早く次の試合も観たい……

 あ、そうそう。
 あと今、世界バスケがやってるらしい。
 これもビデオに録画してるんだけども、田臥くんは呼ばれてるんだろうか?
 だったら早く観たい。
 とはいえ、バスケはやっぱ観てるよりやってるほうが楽しいので、あんまし書く気も出てこない。

  • 2006年8月21日 17:57
  • 松田拓弥
  • Diary

大切な君

ずっと大切な友達だと思ってた
でも君に彼氏ができたとそんな話を持ってきて
いつの間にか大切な人になってたんだ
でも君の恋も応援してる

気づけばいつも君のそばにいて
気づくといつも笑っていられた
ふと別の誰かに目がいって
君じゃないと気づかされた
つらいことも不安も疑問も
君に話すといつも違うことで笑ってる

永遠だとか約束だとか
そんなのきっと欲しいわけじゃないんだけど
君の悲しい顔は見たくない
だけど幸せそうに話す顔も
なんだか少し胸が苦しくなるんだ

不思議だね
君が好き
だけど違う
君が好き
だけど似てるんだ
僕が好きになる人に いつも

だからじゃないけど
また僕がつらいときや淋しいとき
なんだかんだ言いながら
ちょっとだけそばにいてほしい

好きになるには
君はちょっと近すぎるのかな
でもそれを伝えるには
君はあまりに優しすぎる

  • 2006年8月17日 23:59
  • 松田拓弥
  • Poetry

Post IT

ちょっとしたメモを残すように
君との今日を書き記して
いつか僕の机が
そんな君でいっぱいになって
君がいつもいる場所が
僕の居場所になっちゃうね

僕にはほかに行く場所もなくて
君との想い出のなかに埋もれながら
過去をまた思い返すときがくるのかな
だけど君は またほら
伝えた
ほらまた伝わった

なにも書くことがなくたって
そんなときは君の名前を書いていこう
君のことを呼ぶように
いつも君を呼ぶように

  • 2006年8月17日 21:53
  • 松田拓弥
  • Poetry

一緒に楽しみたいだけだった…

 俺はずっとバスケをやってた。

 いろんなことがあった。
 ホントにいろんなことがあったと思う。
 小学校の卒業アルバムのタイトルも『つらかったキャプテン』だったのは、先にも後にも笑いのネタだった。誰もが読んで俺に聞かせてくれたもんだ。
 とにかく、なんでもかんでも「キャプテン」だった。褒められるのも、怒られるのも、キャプテンの俺だった。それがイヤでイヤでしょうがなかった。

 はっきり言って“キャプテン”なんて肩書きはクソに近い。

 褒められるのもみんなだし、怒られるのもみんなのはずだといつも心のなかで思っていた。でも口には出せずにいた。
 でもチームメイトのお父さんお母さんたちは、いつもすごく俺に気を遣ってくれてたのを憶えてる。試合に勝ったときはすごく優しく接してくれた。負けたときは、もっと優しかった。


 小学。
 中学。
 高校。
 専門学校。
 かなりのバスケットバカだったと自分でも思う。
 でも、それで良かったと今は思う。
 はっきり言って、なんの役にも立たない。メシも食えないし、プロになるなんてのも、毎日まいにち飽きもせずにタバコを1日に1箱以上吸ってる時点でまず叶わない。
 というよりまず、高校最後の年の練習の最中に、しばらく呼吸ができなくなって死にかけてる時点でムリな話だ。たかだか高校の練習ごときでだ。

 でもメシを食うより大切なことがいっぱいあったから、そしてこんな今だからこそ良かったと思えるのかもしれない。


 さてさて話は変わって、ず~っとバスケをつづけてきて、笑っちゃうほどに気づいたことがある。

 “補欠ほど、試合以外で燃え尽きる”

 これは、楽しんでるんじゃなく、とにかくはりきってマジもマジ、大マジでやってるという意味…
 部活の練習のときより汗をかき、部活では見せないようなことまでやってみたり、とにもかくにもノールック…挙句の果てには、素人相手に「ファウルだろ!!」の連発で本気でキレてるし…

 わかる…よくわかる。それは、わかる。
 大会とかの試合に出れないし、出れても練習試合の残り5分とか後半だけとか…その分、そういうところでイイカッコしたいというのはわかる。
 でも、それは見ててこっちが悲しくなる。
 そういう人に限って、ただ見せびらかしたがってるだけに映るから。
 素人相手に、自分がうまいのは当然だ。もし下手に見られるようなら、「部活でなにやってんだ?」と言われても仕方ない。ファウルされたくなかったら、ファウルされないようにかわせばいい。

 でも、昼休みとか、放課後にちょっと残って仲間内でやったりする人たちっていうのは、単に「楽しみ」でやってる。ジュースとか賭けてるわけでもなければ、勝ち負けなんてランク外。俺も彼らと一緒に混ぜてもらっててそう思った。
 楽しくやりたいから「ファウル」だってその1つと思ってた。
 部活ではやっぱり勝ち負けが第一となってしまうから、それ以外では、一緒にバスケを楽しむことしか考えてなかった。
 笑いながら強引に抱きついて振りまわしてもアリっていう、そういうのが楽しかった。
 体育でも何でも、困ったときにだけ頼られてナンボのバスケ部だと思うし、頼んでもいないのに自分ばっかり目立たれたんじゃ、きっと次はもう声がかからないと思うわけだ…
 自分が楽しくやりたいから、まわりの人にはもっと楽しんでほしかった。


 “一緒に楽しむ”っていうところだと、高校の球技大会が一番印象に残ってる。忘れもしない…あいつら。
 良かった。
 バスケ部は1クラスに1人だけという球技大会ならではのルールがあった。そのとき同じクラスでバスケ部のやつがバスケに手を挙げていた…そいつに任せとこうかなぐらいの感じで、俺はなぜかできもしないソフトボールに手を挙げてたのだけれども、「殺す」と脅されては仕方ないので入った。さらに“ゲームキャプテン”という肩書きまでいただいていた。
 一応バスケ部ではないにしろ、小学や中学での経験者がほとんどのチームだったということが噂で流れ、たちまち“優勝候補”のレッテルが貼られたみたいだった。
 最初の何試合かは、ほかのチームメイトだけで充分だった。4人でも余裕で勝てたと思う。ほかのチームの人たちとは、やっぱり動きの格が違った彼らだった。

 だけども、準決勝…バスケ部はゼロにしても、全員が中学時代に部活で本格的に経験したチームと当たった。
 2点とっては2点とられ、3点とっては4点とられた。俺はパスに徹していた。それでも常に接戦だった。彼らはやっぱりすごかった。
 そして後半残り3秒ぐらいだったらしい…そこで俺がパスを受けてしまった。
 すでに4人に囲まれていた。バスケ部といえど、いや、逆にバスケ部だからこそ俺はビビッた。んなことはあり得ない…とにかくもう俺は強引にそいつらの隙間に割り込んで、シュートした。実際、かなりテキトーだった。フォームもクソもあったもんじゃなかった。
 シーンと静まりかえった。
 応援に来てたクラスメイトも、ギャラリーも、先生がたも、その会場にいた誰もがそのボールの放物線を目で追っていた。
 俺はすぐに審判を見た。その指はしっかりと3本立っていた。
 試合終了のブザーが一瞬の沈黙を破った。
 と同時に、会場が揺れた。いろんな声が飛び交った。笑い声。ゴッツい声。怒声。悲鳴も聞いた。
 俺はぶっ飛んだ…その先で、なぜか俺は応援に来ていた担任の田中先生に視線を向けていた。メッチャ笑ってた。跳ねてた。まるで吼えつづけるサルだった。
 そのまわりにいた女生徒たちは、チームメイトの上にどんどん飛び込んできていた。
 電子掲示板を見ると、しっかりと同点になっていた。
 俺はどうやらやったらしかった。プロバスケのビデオを観ながらいつも夢見てた、試合終了と同時の得点…
 んで、そのままフリースロー対決になり、俺以外のみんなが決めてくれて、見事に決勝戦に進んだ。

 決勝戦は、同じバスケ部のポイントゲッター率いるチームだった。予想どおりだった。
 そして試合は、その序盤からそのポイントゲッターに球が集まり、常にそいつが決めていた。
 それでもこちらは接戦にしていた。またもや俺はパスしかしていないのに、バスケ部でもない彼らの活躍だった。攻めに守りに、バスケ部に引けを取らなかった。
 でも試合終了のブザーが鳴ったときには、惜しくもなくうちのチームが負けた。

 最後までパスに徹して得点はほとんど彼らに任せていた、自分の得点力のなさだと彼らに侘びを入れた。
「いやいや、楽しかったよ」
 本気で涙が出そうなぐらい嬉しかった言葉だ。
「楽しくやれたんだから、いいじゃん。謝んなって、キャプテン」
 背中をポンポンとたたくというしぐさが、こんなにも人に嬉しい感じを与えるとんでもなく素晴らしいものだと気づかせてくれたチームメイトたちだった。

 たかが球技大会で打上をしたのは、このときが最初で最後だった。そのとき彼らをバスケ部にスカウトしたのも無理はない。
 でもあっさりとこう断れた。
「疲れんじゃん」


 こう思いだしてみると、俺ってけっこう青春バカかもしれないと思ったり思わなかったり…とはいえ、青春バカが大好きです。アツアツな人が大好きです。

 とにもかくにも、やっぱり“一緒に楽しむ”っていうことは大事なことだと思う。一緒にやれる仲間がいて、一緒に楽しめたら、それ幸いにして、最愛であり、最。

 なんか想い出話やら自慢話やら、本当に自分の身の上になってしまいましたが…
 とまあこんな感じで、バスケを通していろんなことを学べたし、今なお生きることも教えてもらえたし、やっぱりずっと続けてきて良かったなと思えます。
 あの準決勝みたいなシチュエーションでのシュートも、現役のときには何本も決めさせてもらいました。そのときはやっぱりヒーローみたいに、チームの全員が褒めてくれる。ひっぱたかれたり、蹴られたり、ぶっ飛ばされたり…でも、試合が終われば、みんながヒーローです。
 ヒーローなんていないと誰もが思う。
 でも、ヒーローがいないと感じたら、もうそのときには、自分もヒーローの一員になってるときなのです。
 ヒーローなんていなくてもいい。
 どうしても欲しいときには、自分で自分を褒めてあげてください。


 で、今はそれが“書くこと”になっています。小説だったり、詩だったり、歌だったりもしますが、どれもこれもが大切な自分の人生の1シーンになればいっかなぁ~という具合で…
 そういうのを一緒に楽しみたいだけだったり…


 結局のところ、なにが言いたいのか?

 …さぁ、自分でもさっぱりです。

  • 2006年8月16日 19:13
  • 松田拓弥
  • Essay

EMPetiTY

なぜだろう
子供の笑顔が嬉しくて
なにか言葉を交わしたわけじゃない
その手に触れたわけでもない
だけど少し胸があったかくなった気がするんだ

いつかの自分を思いだすのかな
空気だとか大きさだとか
楽しいことにひたむきで
わけもなく元気になれたり

きっとあとまわしにできることが
イヤって感じることより多かったのかな
可能性や希望なんてどうでもよくて
ただただ楽しいことに駆け寄ってって
自分のことだけ考えながら
だれかと一緒にいる自分を素直に好きになれていた

わからない
無限だとか未来だとか
永遠だとか明日だとか
そんなものすらちっぽけに見えてたんだな

今じゃ壮大な果てもないよな地図に見えるし
愛や希望を深いと考え込んだり
頭を悩ましつづけてる

だけどそれも悪くない
子供のときのひたむきさが
きっと今は長く歩いていけること
もしも今も子供のままなら
きっと君はいないだろう

  • 2006年8月11日 22:01
  • 松田拓弥
  • Poetry

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