なんかすごくマイッてるとき
トコトコっとそばまでやって来て
ふとキミが笑ってくれていた
見知らぬ子供の小さな手のひら
僕はキミに何をしてあげられるだろう
キミはこうして笑ってくれて
なんだか少し励まされて
僕はその手に何を乗せてあげられるだろう
明日またここへ来たら
キミもまたここまでトコトコやって来て
今度は「どうしたの?」って首を傾げるのかな
「キミに会いに来たんだよ」って言ったら
キミはまたあの笑顔を見せてくれるかな
それとも明日は来ないのかな
お母さんにその手を引かれながら
お母さんの手を引っ張りながら
同じ笑顔で見上げてた
みんなと離れていってしまうのに
なんだかすごく嬉しそうだね
その先にはきっと明日があるんだね
だからきっと眠るのも怖くないんだね
名前も知らないその子の手のひら
まだなにもつかめそうにないんだけれど
なにもかもをつかめそうに大きく見えた
優しさだとかぬくもりだとか
明日だとか夢だとか
キミは僕にその手を差しのべてくれた
でもきっと、僕はなにも返さなくてもいいんだね
キミはそれをその小さな小さな手に乗せて
僕にもあるんだって見せてくれていたんだね
ありがとう
- 2006年6月 1日 00:36
- Poetry