"Poetry" にまつわる文章のリスト
空と太陽
ああ、空が近い
トゲのような草の上に寝転んでる
雲ひとつない空だ
太陽もない
ただ限りなく空が広がっていく
太陽はもっとずっと遠いんだろうか
なにを照らしているんだろう
雲はどこにあるんだろう
きっとどこかにはあるんだろう
手を伸ばせば届きそうだ
ちょっと腕を振れば
こんな空も吹き飛ばしてしまえそうだ
でもきっとこんな指先なんて
すぐに見えなくなってしまう
僕のなかに過去として残るだけで
きっと空に溶けてしまう
どれだけ時間が経ったんだろう
空はなにも変わらなかった
ふと僕の顔をなぞっていった風の音を数えてみても
今はもう雨は降らない
きっと時間は変化の数
そして重なり
それはやがて連なっていく
背中がチクチク痛くなってきた
僕はほんの少し目を開ける
まぶしすぎる空が広がっていく
空が青い
だけど狭い
僕の空は白いんだ
雲が見えない
太陽すらない
ああ、空が近い
ああ、空がまた近い
- 2009年5月16日 02:19
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鏡のなかの向日葵
悲しいけれど自分が遠く
淋しいけれど君は遠く
「好き」って言葉を口にするほど
その気持ちを自分に押しつけてしまってる
そんな気がする
鏡に映ったものを触れようとするように
想えば想うほどそこにあるはずの心
距離と輪郭を見失ってく
でもきっと
本当は触れてるんだ
その感触に自信が持てなくなってくだけ
気持ちばかりがどんどんどんどん実感だけをふくらませて
いつからか爪を立ててつかむことができなくなってる
どんなに大切に思ってたって
どんなに繊細なものだって
臆病になっちゃ流れ星
夜空は悲しみを映す鏡じゃないんだ
ましてや星は涙じゃないから
「好き」って言葉は
自分にかける魔法じゃないから
欲しいものを手にするためなら
平気で嘘をつけるほどの強さが欲しくて
鏡の自分に手を伸ばす
自分自身とは手をつなぐことだって
こんなにも簡単なことなのに
どうして向日葵は
あんなにも高いところに咲いてしまうんだろう
ずっと種を掌のなかでにぎっておけばよかったと思えるほどに
- 2009年2月19日 02:03
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大好きな歌
本当は聴いて
聴いていたいのに
いつの間にか
自分も口ずさんでしまっているような
好きな歌
本当に僕が大好きな歌
見知らぬ人を想う気持ち
優しくて優しくて
信じることはできなくたって
好きになれる笑ってられる
人の弱さや悲しみだけが語り継がれていくなかで
喜びや笑顔は時代に委ねるんじゃなくて
ほんの少し自身とだれかを比べながら
ほんの少し嘘をついて
泣いて笑って
泣いて笑って
みんな誰しも孤独だけど
ふと「ひとりじゃないんだね」って感じたときには
そばにいるなら寄り添って
離れ離れにいたとしてもその事実を受け止めて
一人じゃないほど淋しくなるけど
つないだその手をいつでも離せるほどに信じてる
淋しいのと不安は違うから
なんでもない
誰もが知ってるようなラブソングのはずなのに
言葉と一緒に涙が出てくる
君に
そして君の大切な人みんなにも
- 2009年2月17日 00:12
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眠り
愛せる人を見つけたとき
別れのときを想像した
その人を愛していけるかを考えたとき
別の人が胸裏をかすめた
本当に愛せるかどうかを思ったとき
自分の愛を疑った
この世でもっとも優しく美しい悪夢を見よう
もう一度 もう一度だけ
この世で一番幸せな悪夢を
- 2008年12月 9日 08:23
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月と道
いつか屋上でふたり並んで寝転んだ夜
きみの鼻先に止まった半分の月
ぼくはそれが欲しかった
今はあまりに広く限りなく
果てのないぼくの前
道なき道ができてんだろう
ぼくはそのなかをきっと歩いていくんだろう
振り返ればそこには道があって
きっと足跡が作った影なんだろう
あまりに細く節くれだって
何度も同じ場所で立ち止まっていたんだろう
なにもないのはすごく怖い
海の上を歩くような
土の中を泳ぐような
海も土も闇じゃない
きみは夜空を見上げてたのに
ぼくにはじっと月を見つめているようだったんだ
明日も未来もその先も
きっと見失ってしまってた
お互い違う場所を見ていたんだ
この先のどこかに行き止まりはあるのかな
そこで終わる
そして始まる
ぼくの前
きみのうしろ
どこまで行けばいいのかな
ふたり並んでいいのかな
そしたらいつかまた見失っていくことが増えそうなんだ
ずっと見つめていたはずの月が
いつの間にかきみの奥に沈んでいってしまったように
怖いんだ
あのとききみはなにを見つめていたんだろう
ただそこにあった夜空かな
どこかに星を探してたのかな
なにもない空になにかを重ねていたのかな
ぼくが歩く道なき道
きみのうしろにできた道
今度は二人で向き合おう
- 2008年9月 9日 05:42
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Rain
目を閉じれば
真っ暗な闇が見えてくる
また目を閉じれば
今度はまっさらな世界が見えてくる
ずっと目を閉じていたら
新たな自分が見えてくる
子供のころは明日がすごく遠く感じた
大人になると昨日がロケットみたいに飛んでいく
たぶん待ってるものが違うんだ
明日を待つのが怖くなる
だから休みが早くなる
楽しい時間が加速する
それはきっと
心のなかも加速するからなんだと思う
「追う」か「追われる」かの違いだとモウ
胸が痛いよ
どうにもならない時間を秘めて
自分以外の人の気持ちを
ちぎれそうな想いを秘めて
つながれたいと願ってしまう
狂おしいほど愛しいのに
引き裂くような時を重ねる
愛は鎖
ちぎるためにも
つなぐためにも
その重さを支え合う
指を結んで
肩を組んで
だけどそれは
きっとだれのためでもないんだろう
唯一理由が必要のない
唯一理由を持ち寄らない
一人ひとりが自分のために
自分をつなぎとめとくために
- 2008年8月 5日 07:11
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心の中の暗闇
人は自分のなかに光を抱えてる
きっと誰もが言うようなもんじゃない
それは闇じゃない
光だ
その光を守ろう
その光をもっと輝かせよう
その光を抱きつづけていよう
そうやって努力してがんばって
もがきながら生きてるんだ
だけど環境や境遇がそうさせるんだ
もがきながら苦しんで
悪あがきをしてる
僕は僕でありたい
だから
だれも心のなかに暗闇なんて持ってない
潜んでもない
あるのは光だ
闇は光の影なんだ
- 2008年8月 2日 06:59
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